理不尽な逮捕と、ずさんな捜査をした道警と検察を許さない。 無罪判決が確定した札幌の男性が国家賠償を求めました。 男性の代理人弁護士 「自分は悪いことしてないのに、こんな目に遭わされて、無罪になっても逮捕・起訴したことに謝罪するわけでもない。非常識極まりない」 国と道にあわせて330万円の賠償を求めて提訴したのは、札幌の74歳の男性です。 事故が起きたのは2022年7月。 北海道札幌市中央区で、当時13歳の女子中学生が男性の車の前に飛び出し、はねられて死亡しました。 現場近くの防犯カメラは、女子中学生が赤信号にもかかわらず、横断歩道の真ん中にたたずみ、男性の車に向かって飛び込む様子を鮮明にとらえていました。 2024年1月の札幌地裁の確定判決は、「女子中学生が自殺のために飛び出してきた可能性を否定できず、事故を回避できた可能性には合理的な疑いが残る」として、男性に無罪を言い渡しました。 しかし、捜査段階で、道警は警察官が防犯カメラの映像を確認していたにも関わらず、男性を現行犯逮捕。 さらに、事件を引き継いだ検察庁も、強引に略式起訴したとして、男性はずさんな捜査に憤っています。 男性の代理人弁護士 「非難に値するものだけを起訴するべきであって、そうじゃなくなっている現状を変えるきっかけにしたい」 男性の弁護士は、「一旦、略式起訴したら最後まで有罪立証を続けようとする検察は、撤退できない組織だ」と強く非難しています。