住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)にアクセスして親族の個人番号を閲覧したなどしたとして、埼玉県警は10日、マイナンバー法違反(職権濫用(らんよう)収集)の疑いで、所沢市職員の30代の男を逮捕した。職権濫用収集容疑の逮捕は全国で初めて。 閲覧した親族を自身の扶養に入れて還付金などを得ていたとみられ、県警は詐欺容疑なども視野に捜査する。 男は同市の市民税課で勤務していた2023年2月27日~3月23日までの間、住基ネットにアクセスして親族14人分の個人番号を閲覧、印字して不法に個人番号を収集した疑いが持たれている。住基ネットのアクセス権は限られた職員にしか与えられないが、男は当時権限を持っていた。 男は親族の扶養状況や収入などを調べて条件に合った親族を自身の扶養に入れており、申告を修正して還付金などを得ていたとみられる。 所沢市が昨年11月26日、「職員がマイナンバーの不正照会をして取得している」と所沢署に相談。アクセス履歴などから男の犯行を特定した。 県警は今年3月、男が勤務している所沢市上下水道局を家宅捜索。携帯電話などを押収していた。