韓国人実業家の拉致・殺害事件…フィリピン警察官、最高裁で無期懲役確定

2016年、フィリピンで韓国人実業家のチ・イクジュさん(当時53歳)が拉致・殺害された事件の主犯に対し、フィリピン最高裁が控訴を棄却し、無期懲役刑を確定させた。 9日(現地時間)、駐フィリピン韓国大使館によると、フィリピン最高裁は当時フィリピン国家警察庁麻薬取締局のチーム長だったラファエル・ドゥムラオ氏の上告を棄却し、2審の「仮釈放なしの無期懲役刑」を維持する判断を下した。 裁判所は、ドゥムラオ氏が部下である現職警官2人と共謀してチ氏を拉致・殺害した罪を控訴審と同様に認定した。 チ氏は2016年10月18日、ルソン島北部アンヘレス市の自宅で拉致され、警察庁の駐車場に連行された後に殺害された。 共犯の警察官2人には、2023年の一審で無期懲役が言い渡されたが、主犯であるドゥムラオ氏には無罪判決が出ていた。 その後、2023年6月の控訴審で、裁判所は「重大な裁量権の乱用」を認めてドゥムラオ氏に無期懲役を言い渡した。 しかしドゥムラオ氏は、控訴裁が逮捕状を即時発付しなかった隙を突いて刑が執行される前に逃走し、現在に至るまで行方不明になっている。 これを受け、昨年10月、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とフィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は首脳会談において、ドゥムラオ氏の刑執行に向けた協力を約束するなど、韓国政府はフィリピン当局に対して積極的な捜査協力を要請してきた。 今回の判決確定後、駐フィリピン韓国大使館は、フィリピン大統領直属の組織犯罪対策委員会(PAOCC)および司法省傘下の国家捜査局(NBI)に対し、ドゥムラオ氏の早期逮捕を正式に要請したと発表した。 これを受け、PAOCC側は、全国手配やメディアによる広報などを通じて、ドゥムラオ氏の逮捕を積極的に推進すると表明した。

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