元消防士が語った放火と暴走の心理「燃やして恐怖を与えたかった」 判決公判は11日 富山地裁

放火や元交際相手へのストーカー行為などを繰り返した罪に問われている元消防士の男の裁判は11日に判決が言い渡されます。4日の被告人質問で自らの行動を振り返り「火は自分にとって身近なものだった」「ガソリンの危険性を相手が分かっていると思った」など、消防のプロだからこその異様な発想が明らかになっています。 ■消防士という立場を利用した犯行 「火をつけてどうしたかったのか」という検察側からの問いに「燃やすため」「恐怖を与えたかった」と答えた林陽太被告(27)。高岡市消防本部の元消防士でした。 起訴状などによりますと、林被告は2022年8月に当時10代の男性の住宅に放火したほか、翌年5月には立山町のアパートで男性を殺害しようと郵便受けからガソリンを流し込んだとされ、放火予備、殺人予備などの罪に問われています。 「なぜ『火』という選択をとったのか」との問いには「自分にとっては身近なものだから、消防の知識で火を取り扱っていたので」と答えました。 元消防士としての知識を犯行に使ったことを認めるような発言です。 ■元交際相手への執着から始まった犯行 林被告の一連の犯行は、元交際相手の女性への執着から始まりました。「Aさんは以前交際していた彼女で、よりを戻したかった」と林被告は話しました。交際解消後の2022年7月、女性の車にGPSを取り付け、位置情報を監視していました。 GPSで監視していたことについては「今考えると気持ち悪いと感じる」と自らを振り返っています。 この行為について林被告は「位置を知りたかった欲求があった」と説明。何度かGPSの位置情報を頼りに、女性の居場所に赴いたこともあったといいます。 さらに、女性が使用する女性専用室に侵入し、下着を撮影するなどの行為も行っていました。「自分の欲求を満たすため。気持ち悪いと思います」と法廷で述べています。 ■恋愛感情から凶行に発展 林被告の犯行は、元交際相手が新しい恋人を作ったことで激化しました。林被告は「Aさんと交際相手の男性の関係がこじれたらいいなと思った」などと当時の心境を話しました。

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