豪当局、新たに子供800人を感染症検査の対象に 職員がレイプ罪で訴追された保育施設で

オーストラリア・ヴィクトリア州メルボルンで、保育施設職員が児童に対するレイプなど複数の罪で訴追された事件で、州当局は15日、新たに約800人の子供に感染症検査を受けるよう呼びかけた。 この事件をめぐっては、当局はすでに、20の保育施設に通っていた子供約1200人の保護者に対し、「万一の場合のため」に子供に検査を受けさせるよう推奨していた。 警察によると、ジョシュア・デイル・ブラウン被告(26)は5月に逮捕され、70件の罪で訴追された。調べによると、2022年4月から2023年にかけて、生後5カ月の乳児を含む8人の子供に暴行を加えたという。 警察が15日に新しく発表したところによると、ブラウン被告が2017年1月から2025年5月までの間に勤務していた施設の一覧に、新たに4施設が追加された。逆に、一覧からは別の1施設が削除された。この施設でブラウン被告が勤務していなかったことを、警察が確認したという。 ヴィクトリア州の健康管理最高責任者クリスチャン・マグラス氏は以前、ブラウン被告が性感染症に感染していたのかについては明言を避けつつ、犯行の手口とされることからは、一部の子供に感染症検査が必要になる可能性が考えられると説明していた。 当局は、子供たちが感染症にさらされた可能性は「低いと考えられている」とし、「これまでの検査結果が、そうした評価を裏付けている」としている。 ヴィクトリア州政府は、「関係するすべての家庭にとって、この事態がどれほどつらいものか、我々は認識している。今必要な不可欠な支援を提供するため、あらゆる手段を講じている」と、ウェブサイトに掲載した。 この事件は、保護者に衝撃を与えた。そして、ブラウン被告の罪状に対してだけでなく、政府による保育施設職員の審査制度の不備に対する怒りが、保護者から噴出した。 当局によると、ブラウン被告は子供と関わる仕事をするための有効な資格を持ち、逮捕当時は保育施設職員として雇われていた。 公共放送オーストラリア放送協会(ABC)は先週末、州当局に2年前、保育施設でのブラウン被告の行動について報告が寄せられていたにも関わらず、同被告が就労資格を維持していたと報じた。この施設では同被告が8人の子供に暴行を加えたとされるが、報告内容には性的不品行は含まれていなかったという。 保育施設運営会社G8エデュケーションは、400以上の施設に監視カメラを早急に導入する方針を表明した。 また、警察の捜査と刑事手続きが終わり次第、ブラウン被告に対する独立調査を委託するつもりだとした。 ブラウン被告は9月にメルボルンの治安判事裁判所に出廷する予定。 (英語記事 Another 800 children to be tested for disease linked to alleged childcare abuser)

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