息子をかたるオレオレ詐欺で現金300万円を詐取しようとしたとして、兵庫県警特殊詐欺特別捜査隊と東灘署は18日、詐欺未遂の疑いで、住所職業不詳の男(39)を現行犯逮捕した。詐欺の電話を受けた隊員の女性巡査長(35)が機転を利かせ、だまされたふりで「高齢の母」に変装。待ち合わせ場所に現れた男を、捜査員たちが取り押さえた。 隊によると、18日午前11時20分ごろ、巡査長の携帯電話に、息子をかたる男から「不倫相手を妊娠させてしまい、示談金を支払わないといけない。300万円を用意してほしい」と電話があった。 詐欺と気付いた巡査長は相手方の母を演じ、電話で数回やりとり。男から「弁護士の補佐人が受け取りに行く」と阪急甲南山手駅前を待ち合わせ場所に指定されたため、白髪のかつらやマスクで変装し、日傘を差して待ったという。 周辺には隊員7人も隠れて待機。午後1時50分ごろ、男が声をかけてきたため、巡査長は「現金です」と言って空の紙袋を渡した。男は中身が入っていないことに気付くとすぐに走って逃げたが、数十メートル先の路上で隊員らに取り押さえられた。調べに「何も言いたくない」と話している。 隊幹部は「高齢女性への変装に『年齢が違いすぎて無理があるかも。ばれるのでは』と危ぶんだが、巡査長が臨機応変に対応してくれた。うまくいってよかった」と話した。