市庁舎建設めぐり収賄容疑、桐生市の元副市長を逮捕 商品券を受領か

群馬県桐生市が発注した新庁舎の建設工事を巡り、基本設計の仕事を受けさせようと特定の会社から賄賂を受け取ったなどとして、埼玉、群馬両県警の合同捜査本部は24日、前副市長で無職の森山享大容疑者(52)を官製談合防止法違反と加重収賄の疑いで逮捕し、発表した。群馬県議の相沢崇文容疑者(49)も同日、同法違反とあっせん収賄の疑いで再逮捕した。森山容疑者は「間違いありません」と認め、相沢容疑者は黙秘しているという。 埼玉県警捜査2課によると、両容疑者は共謀し、2020年9月29日に公募型プロポーザルの最終審査のあった「桐生市庁舎建設基本計画策定及び基本設計業務委託」の契約を特定の会社に受託させようと考え、森山容疑者は相沢容疑者を通じて、群馬県内などでこの会社の社員に秘密事項を漏らして入札の公正を害し、20年12月23日、謝礼として、この会社の役員から10万円分の商品券の賄賂を受け取った疑いがある。 また、この会社の社員から依頼を受けた相沢容疑者は同8月下旬、森山容疑者に対し、秘密事項を漏らすように申し入れ、同12月23日ごろ、あっせんへの謝礼として10万円分の商品券の賄賂を会社の役員から受け取った疑いがある。 森山容疑者は、学識経験者などでつくるプロポーザルの審査委員会の副委員長を務めていたという。両県警は、ともに桐生市議だった両容疑者の関係性が背景にあるとみて捜査している。 森山容疑者は19年に副市長に就任したが、今年7月4日に「市政に混乱を招いている」として荒木恵司市長に辞職願を提出し、受理されていた。 両県警は公契約関係競売入札妨害の疑いで、相沢容疑者を6月19日に逮捕し、さいたま地検は7月9日、同容疑者を同罪で起訴した。(折井茉瑚、小崎瑶太)

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