炎の画家、狂気の画家と呼ばれるフィンセント・ファン・ゴッホ。 今春の東京展に続き、大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展として、「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が開催されています。 誰もが知るオランダの後期印象派の画家は、死後100年以上経った今でも、私たちの心を魅了し続けると共に、彼の生きた軌跡も強烈な印象を残しています。 様々な挫折と苦難を味わいながら、生涯にわたり絵画の制作に取り組んだゴッホを通して見える彼の死生観とは何か? 元外交官で作家の佐藤優氏が手紙や作品を手がかりに考察したゴッホの死生観を紹介します。 ※本稿は佐藤優氏の著書『死の言葉』(新星出版社)より一部抜粋・編集した記事です *** 【フィンセント・ファン・ゴッホ】853-1890年(没年37歳) 19世紀後半、オランダの後期印象派の画家。牧師の家に生まれ、様々な挫折と苦難を味わった後、26歳で画家を志したゴッホ。その後、亡くなるまでの10年間で850点近い作品を遺したが、画家としての名声の確立は死後であった。代表作として「アルルの跳ね橋」、「夜のカフェ」、「タンギ一爺さん」などがある。 ***