外国人相手に客待ち、「立ちんぼ」で女4人逮捕 支援団体に境遇を聞いた

東京・新宿の歌舞伎町で違法な客待ち行為をしていたとして、「立ちんぼ」と呼ばれる20代の女4人が相次いで警視庁に逮捕され、その素性に関心が集まっている。 私服警察官に捕まらないよう、外国人男性らに売春を持ちかけていたという。その実情について、女性への支援をしているNPO法人の代表に話を聞いた。 ■外国人が動画見て近寄り、女らは弱みを知って標的に 「これ何?これ何ですか」。売春防止法違反の疑いで逮捕された女(20)は、警察官に容疑を示され、当惑した表情を見せる。 テレビ局などのスタッフが集まってカメラを向けたため、両手で顔を隠す。この女は、「働いたら負け」と大きく書かれたTシャツを着ていた。「前も捕まったことあるよね」と警察官に言われ、無言でうなずいた。 もう1人の女(25)は、「カメラ壊すよ、本当に」と突然のことに怒りを露わにした。他の2人は、平然と歩いたり、うつむいたりして、それぞれに表情が違った。 報道によると、容疑者の女らは、売春の客待ちをしていたばかりでなく、ホテルで客の財布を盗んだり、金を支払っても性行為しなかったり、仲間を呼んで客を脅したりしていたという。2024年10月~25年6月までに、こうした悪質な犯行の110番が約50件あり、外国人からの被害の訴えも多かったという。 逮捕時に両手で顔を隠した女は、23年7月からの2年間で約1億1000万円を荒稼ぎしていた、と警視庁の捜査内容が報じられている。稼いだ金は、ホストクラブやギャンブル、生活費に充てていたという。 歌舞伎町の区立大久保公園周辺では、同法違反での摘発が最近続いており、警視庁の発表によると、25年1~6月に計75人が逮捕されている。 公園周辺の「立ちんぼ」は、海外のユーチューバーらが動画を投稿したり、SNS上で日本の観光名所のように紹介されたりして、広まっていたという。実際、ユーチューブ上などで「tachinbo」「OKUBO PARK」などと検索すると、立ちんぼの様子を撮った動画がいくつも出てくる。 一方、売春目的の女らからすれば、外国人なら私服警察官の恐れがなく、日本語も不自由なため対処が難しいとターゲットにしていたといい、双方に近寄る動機があったようだ。

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