「ニセ警官」で現金詐取→資金洗浄→1時間後に車を購入か 警視庁

警察官をかたって現金をだまし取る手口の特殊詐欺事件で、被害者によって振り込まれた金が複数の口座を移転して「マネーロンダリング(資金洗浄)」され、入金から1時間以内に車の購入に使われていた――。そんな疑いがあるケースが警視庁の捜査で明らかになった。特殊詐欺の被害が過去最悪の状況の中、専門家は、犯罪収益の移転を断ち切るためには「金融機関同士や警察との連携が不可欠」と指摘する。 警視庁は、ネットバンキングなどを使って別の口座に被害金を移動させ、犯罪収益であることを隠したなどとして、ベトナム国籍の男2人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)などの疑いで逮捕し、7月31日に発表した。認否は明らかにしていない。 捜査2課によると、埼玉県内の40代男性は4月、警察官を名乗る男から「あなたは詐欺グループに加担している疑いがある」と電話を受け、調査名目で現金約1430万円を入金。うち約800万円は、約10の口座を移動した後、中古車販売会社など1都4県の8社に振り込まれたという。 ■車は海外へ出荷 男性の入金から8社への振り込みまでは、多くが約1時間以内だった。20台以上の車の購入などに充てられ、それらの車はその後、ロシア・ウラジオストクやパキスタン・カラチに輸出されていたという。同庁は、海外へ車を売って利益を得ていたとみている。

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