クジラ漁妨害備え訓練 9月の操業前に海保、和歌山県太地

和歌山県太地町で小型鯨類を対象とした追い込み網漁が9月1日から始まるのを前に、田辺海上保安部などが20日、反捕鯨活動家などによる海上での違法行為や人命救助を想定した訓練に取り組んだ。 海保は毎年この時季に訓練をしており、この日は田辺海上保安部のほか、第5管区海上保安本部や串本海上保安署、太地町漁協から計約30人が参加した。 最初に田辺海上保安部の松井幸紀部長が「今年は大阪・関西万博で、多くの外国人観光客が来日しており、抗議活動の活発化や不測の事態の発生も懸念される。訓練を通じて基本を見直し、準備万端で本番を迎えることで地域の皆さんにも安心していただきたい」とあいさつ。 ゴムボートによる90度旋回や180度旋回といった基本的な操船の訓練をした後、石を投げたり、いけすの網を切ったりして逃走する反捕鯨活動家のボートを停船させ、公務執行妨害や器物損壊の容疑で逮捕する想定の訓練をした。 同漁協太地いさな組合(11人)の土山正樹組合長(54)は「このような訓練をしてくれることで抑止にもなると思うので、大変感謝している。漁に携わる人数が少なくなってきているが、力を合わせて頑張っていきたい」と話していた。

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