交流サイト(SNS)で「高額報酬」をうたう「闇バイト」で集められた実行役らによる事件は後を絶たない。警視庁と産経新聞・ニッポン放送が展開する共同キャンペーン「STOP!闇バイト」では、警視庁の闇バイト対策の司令塔を担う生活安全総務課の川原匡平課長に特徴や手口、応募してしまった際の対応について話を聞いた。 --闇バイトとは 「SNS上で一見、好条件に見える求人情報を掲載し、応募した人に最終的に犯罪を実行させるものです。バイトという言葉から軽い印象を受けるかもしれませんが、強盗、特殊詐欺のかけ子や受け子などとして利用されたり、特殊詐欺の犯行ツールとして欠かせないスマートフォンや銀行口座の転売・譲り渡しを依頼されたりすることもあります。いずれも犯罪行為です」 --闇バイトの特徴と手口は 「まず、闇バイトは、XなどのSNSで、『高額』『即日即金』『ホワイト案件』などの言葉を用いて、楽で簡単、高収入を強調します。シグナルやテレグラムといった匿名性の高いアプリでのやりとりに誘導し、身分証やパスポートなど個人情報を送信するよう要求する特徴があります。勧誘の手口はSNSに限らず、友人や先輩などの身近な人や町で声をかけられるスカウトのようなものも把握しています」 「応募者は捨て駒として、警察に逮捕されるまで犯罪グループに利用されます。応募後、異変を感じても、犯罪グループから個人情報を盾に脅され、プレッシャーで離脱することもできません。逮捕されれば、相応の刑罰や、被害者に対する損害賠償が待っています。闇バイトは犯罪であることに加え、個人情報や人間関係を悪用され、家族や恋人など大事な人を危険に巻き込むことになります。万が一応募してしまったとしても脅しに屈せず、勇気を持って警察などに相談してください」 --警視庁の闇バイト対策は 「闇バイトによる加害者や被害者を生まないことが重要。生活安全総務課は、実行犯を生まないための広報啓発、被害に遭わないための環境構築、闇バイトに応募した人への対応に取り組んでいます。具体的には、若者向けに、犯罪加担防止に関する動画やポスターを作成し、注意喚起を行っています。より若い世代から闇バイトは悪いことだと知ってもらうため、小中学生向けに啓発動画を作成しています。警視庁のホームページや防犯アプリ『デジポリス』からごらんいただくことができます。闇バイトの危険性を伝えるための防犯講話を行っています。SNSで闇バイトを募集しているアカウントに対して、警視庁の公式アカウントから『詐欺の可能性あり』とリプライ警告も行っています」 --闇バイトに気を付けるためには