参議院選挙で投票する見返りに報酬を約束したとしてパチンコ店運営会社の社長らが逮捕された事件。会社の従業員が私たちの取材に応じ、「3000円から4000円もらえる」と持ち掛けられたと証言しました。 ■投票で報酬約束か 「4000円もらえる」従業員が証言 大規模な“公職選挙法違反”の舞台となったのは、東京や鳥取など1都7県で31店舗を展開するパチンコ店でした。 逮捕されたパチンコ店運営会社「デルパラ」の社⻑‧李昌範容疑者(50)と幹部の男女5人。李容疑者らは、7月の参院選に自⺠党比例代表で立候補した阿部恭久氏を当選させるため、従業員60人に対し、投票の見返りに報酬を支払う約束をした疑いが持たれています。 事件を受け、取材に応じた従業員は… デルパラ従業員 「選挙の前に(話が)ありましたね。『3000円から4000円がもらえますよ』みたいな」 明らかになった事件の構図はこうです。 参院選にあたり、社⻑の李容疑者は「デルパラグループとして阿部氏を応援する」方針を決定。従業員が阿部氏に投票すれば、“残業代”として現金を渡すよう幹部に指示したとみられます。 幹部らは、公示日(7月2日・3日)などに全国の店⻑らとウェブ会議を開き、この方針を周知。店⻑らは、朝礼などで従業員に対し「投票すれば社員に4000円、アルバイトは3000円支払う」と伝えていたということです。 その上で店⻑らは、従業員らに阿部氏と書いた投票用紙を撮影し報告するよう求めていたと見られています。 実際に“報酬”が支払われた形跡は確認されていませんが、李容疑者らは従業員ら250人以上に報酬を約束していたと見られ、平成以降、最大規模の摘発となる可能性があります。 従業員は、投票を呼びかけられたことを“不審”に思ったと言います。 ■“投票用紙の撮影”も 候補者は関与を否定 デルパラ従業員 「『(阿部さんに)投票してくれたら嬉しいな』くらいで、強制はしてない。『書いた名前を写真を撮ってくれれば大丈夫ですよ』みたいな形だったので」