東京都世田谷区で1日、韓国籍の女性が首を切られて死亡した事件があり、警視庁は2日、同国籍で住居・職業不詳のパク・ヨンジュン容疑者（30）を殺人容疑で逮捕し、発表した。女性からパク容疑者との交際トラブルの相談を受け、警視庁は事件2日前に容疑者に帰国を促していた。警視庁は、容疑者が出国せずに凶器を準備して女性を襲ったとみている。 国際犯罪対策課によると、逮捕容疑は、1日午後1時半ごろ、世田谷区野沢2丁目の事務所敷地内で、バン・ジウォンさん（40）=同港区=の首を刃物で切りつけて、殺害したというもの。パク容疑者は事件後に逃走し、羽田空港で発見された。黙秘しているという。 人身安全対策課などによると、2人は今年4月から交際しており、パク容疑者は8月23日に韓国から短期滞在で来日。29日未明にバンさんが都内の交番を訪れ、「パク容疑者に別れ話をしたら暴力を振るわれた」と相談したという。 ■「大阪へ行く」と言い東京駅に、でも翌朝には…… 警視庁はバンさんを知人宅へ避難させ、パク容疑者に対しては近づかないよう指導し、「私は彼女に接近しない。連絡を取らない」と上申書を書かせた。パク容疑者が「大阪へ行く」と言ったため、東京駅へ送り届けたという。 翌30日朝、バンさんの自宅付近をうろついているパク容疑者を発見した警備員が110番通報した。警視庁は、強い執着があると判断し、帰国させるために捜査員が成田空港まで付き添い、パク容疑者が保安検査場を通過するのを確認したという。