直接的な証拠がない中、被告の男が一貫して無罪を主張している女性殺害事件の裁判員裁判で、長崎地裁は4日、男に無罪判決を言い渡しました。 判決を受けたのは、住所不定・無職の馬場恒典被告(75)です。 長崎地裁の太田寅彦裁判長は4日、馬場被告に対し無罪を言い渡しました。 起訴状などによりますと、馬場被告は2009年4月中旬〜6月頃、当時住んでいた長崎県大村市の自宅で、内縁関係にあった40代女性を鈍器のようなもので複数回殴って殺害した罪に問われています。 女性の遺体は発生から9年後の2018年5月に、隣の市である長崎県諫早市の倉庫の木箱から白骨化した状態で見つかり、さらにその5年後の2023年3月、馬場被告が殺人の疑いで逮捕・起訴されました。 逮捕までにおよそ14年、起訴から初公判までに2年以上かかったこの事件。 凶器が見つかっていないなど直接的な証拠がない中、馬場被告は一貫して無罪を訴えています。 一方、ことし6月に始まった裁判で、検察側は馬場被告の自宅から倉庫まで「毛布に包まれたもの」を被告と共に運んだという知人男性の証言や状況証拠の積み重ねで、馬場被告による犯行が認められると主張、懲役18年を求刑していました。