ニュージーランドで2021年12月に3人の子どもを連れて失踪し、約4年間行方がわからなくなっていた父親が、警察に射殺された。ニュージーランド警察が9月8日に発表した。 射殺されたトム・フィリップス容疑者は、2021年12月にジェイダさん(現在12歳)、マーベリックさん(同10歳)、エンバーさん(同9歳)の3人を連れたまま行方がわからなくなっており、警察が捜索を続けていた。 警察によると、2025年9月8日午前2時30分頃にワイカト地方ピオピオの店舗に2人組の強盗が侵入したとの通報を受け、警察官が出動した。 警察は、犯人が四輪バイクに盗品を積んで逃走したという情報から、フィリップス容疑者による犯行の可能性が高いと判断。 交差点にスパイク(釘付きの障害物)を設置して四輪バイクを停車させた後、容疑者と撃ち合いになったという。 銃撃で容疑者は現場で死亡が確認され、警察官の1人が頭部と肩を撃たれて重傷を負った。 正式な身元確認が行われていないものの、警察は死亡したのはフィリップス容疑者だと見ている。 また、銃撃現場でフィリップ容疑者に同行していた子どもの一人が保護された。子どもに怪我はなく、警察による支援を受けているという。警察は残る2人の子どもの居場所を捜索している。 フィリップス容疑者は、2021年に子どもを連れて失踪した後に逮捕状が出されていた。 1年前の2024年10月には、フィリップス容疑者と子どもたち3人と見られる4人組が、ワイカト地方の森林地帯を歩いている姿が確認された。 この時に一団を目撃した10代の若者は、4人は迷彩服を着てバックパックを背負い、父親はライフルを携えていたと証言している。 また、フィリップス容疑者は失踪してからこれまでの4年間に、強盗など複数の犯罪に関わったと見られている。 2025年8月27日にも、同容疑者によると見られる強盗事件が発生しており、警察が監視カメラ映像を公開して、情報提供を求めていた。 3人の子の母親キャットさんは8日、「子どもたちにとっての苦難が終わりを迎えたことに深く安堵しています」とラジオ局RNZにコメントしている。 「ほぼ4年間、子どもたちのことを考えない日はありませんでした。私たちは、子どもたちを家に迎えられることを心から楽しみにしています」 「同時に、今日の事態の展開には悲しみを感じています。私たちは、すべての関係者にとって平和で安全な方法で子どもたちが戻ってくることをいつも願っていました」 「職務中に負傷した警察官と、影響を受けた地域の方々に、心からのお悔やみを申し上げます。また、この4年間私たちを支えてくれた多くの人々に心からの感謝を伝えます」