現役の警察官とともに近年増加する特殊詐欺について、解説していくコーナーです。解説は鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補です。 中山沙希 アナウンサー 「波田さん、今回は改めて注意していただきたい詐欺があるんですよね」 鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補 「それが『警察官をかたった詐欺』です」 中山アナ 「こちら以前にも解説しましたが、どうして今、改めてなのでしょうか」 波田貴幸 警部補 「実は、鳥取県を中心にこの詐欺に関する相談が8月末からきょう(9月30日)にかけて毎日あります。多い時には1日に30件近く寄せられることもあったんです」 中山アナ 「その理由はなんでしょうか」 波田貴幸 警部補 「おそらく犯人は同じ市外局番の中からランダムに電話をかけているとみられていて、例えば鳥取市でしたら市外局番「0857」に手当たり次第かけ、終わったら次に市外局番「0858」の中でかけていく、これを繰り返していて今月は特に鳥取でそういった電話が多く出回ったと考えられます」 中山アナ 「本当に手あたり次第、犯人はかけているという状況ですね」 波田貴幸 警部補 「そうなんです。官公庁や企業にもかかっています」 中山アナ 「今回は直前で被害を免れた女性にどんな手口だったのか話を聞くことができました」 ◇ ◇ 岡部さん 「もう警察って信じていますからね、最初の段階で。疑うってことをちょっとしなかったですね」 こう話すのは、鳥取市に住む岡部和子さん。 岡部さん 「私の名前を名乗って、東京のほうで携帯電話を新たに契約して、そこに17名の方が被害にあっておられますということで」 岡部さんは9月はじめごろ、警察を名乗る男から、岡部さん名義の携帯電話を使ったある事件に関与していることを知らされました。 岡部さん 「総務局と警察とがタイアップしていろいろなことを解決するために使っている回路があるから、そこから特別に岡部和子さんの解約をしてあげるということで…」 男に指示された通りラインアカウントを教え、メッセージでやり取りをすることに。男からは警察手帳や逮捕状の写真などが送られてきたといいます。 岡部さん 「私は全然信じていました。そんな詐欺とかってわからなかったです」 その後も男は本人確認という名目で、免許証などの写真を送るよう要求。岡部さんは写真を送ってしまったものの、現金の振り込みを求められた時に詐欺だと気づき幸い被害を免れました。 岡部さん 「絶対自分にはこないと思っていたし、そんなの関係ないと思って生きてきたし、だから本当にこの度でびっくりしました」