「ニセ警察詐欺」Gトップの中国籍の男ら逮捕、半年で50億円超か

警察官を装ってうその電話をかけ、特殊詐欺に関与したとして、警視庁などが17日までに、中国籍の会社員銭凌容疑者(38)=東京都江東区=ら男女3人を組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)などの疑いで逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。同庁は、銭容疑者が特殊詐欺グループのトップで、このグループが昨年8月~今年1月に約50億円をだまし取ったとみている。 捜査関係者によると、他に逮捕されたのは無職宮代祥平(31)=住居不定=と職業不詳盧璐(36)=東京都中央区=の両容疑者。宮代容疑者は、うその電話をかける「かけ子」の管理役、盧容疑者は被害金を移動させる指示役、と同庁はみている。 3人の逮捕容疑は、警察官などになりすまして2023年9~12月、宮城、静岡、沖縄各県の男女3人に「あなたの口座が不正利用され、犯罪の嫌疑がかけられている。調査のため現金を移す必要がある」とうその電話をかけ、現金計3522万円などをだまし取ったなどというもの。 盧容疑者はだまし取った金の一部について、東京都港区内のマンション購入代金の手付金として、不動産業者の口座に振り込んだ疑いもある。 同庁は、銭容疑者ら中国人の犯罪グループと日本の暴力団が協力し、詐欺の電話をかける「かけ場」をカンボジアに作っていたとみて調べている。 ■暴力団と「かけ場」作ったか ニセ警察官が登場する詐欺電話の被害は相次ぐ。警視庁は今年2月、この詐欺グループによる詐欺電話とされる音声を公開していた。 音声は「総合通信基盤局」の関係者を名乗る男の電話で始まる。男は、被害にあった男性の携帯電話から「不特定多数の方に迷惑メールが送信されている」として、男性に警察とやりとりするよう持ちかけた。

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