オーストラリア、メルボルン中心部リトルバーク通りで10月2日、通勤途中の女性が胸を刺される通り魔事件が発生した。被害者は肺に穴が開く重傷を負ったが、命に別状はなく3日間の入院を経て退院したという。 7NEWSが報じた監視カメラの映像には、背後から走り寄った人物がナイフのようなもので被害者の胸を刺す様子が映っている。刺した人物がその場を走り去る様子や、通行人が被害者の元に駆け寄り、応急処置しているような姿も確認できる。 警察はローレン・ダルル容疑者を逮捕し、凶器のナイフを押収。「故意による傷害」「過失傷害」「保釈中の重大犯罪実行」の容疑で起訴した。 ABC Newsによると、容疑者は事件当時、別の事件の保釈中だったという。容疑者が入居していた州運営のホームレス支援住宅「Make Room」は「事件を深く悲しんでおり、警察と連携している」と声明を発表した。 被害者はSNSで「一人では外に出られなくなった」と心情を明かし、「心理療法を受けながら心の安定を取り戻したい」と投稿。手術後は「1〜2カ月で回復見込み」と医師に伝えられたという。 news.com.auによると、ジャシンタ・アレン州首相は、「極めて残忍で吐き気を催すような暴力行為だ」と非難。「こうした人物が街を歩いていてはならない」と強調した。事件映像の公開が遅れた理由について「被害者や加害者の特定に関わる法的問題を考慮した」と説明した。 野党のブラッド・バッティン党首は「保釈中に犯行を許したことは政府の失策だ」と批判し、「州民は恐怖を感じずに街を歩けるはずだ」と述べた。