福井県警がまとめた今年1~10月の県内の特殊詐欺被害は認知件数55件、被害額約3億4450万円となり、被害額は初めて3億円を超え、過去最悪となった。今年10月だけで14件、約1億5510万円の被害が確認され、県警は「危機的状況が続いている。手口を知って対策を講じ、自身で詐欺を見破ってほしい」と警鐘を鳴らしている。 県警生活安全企画課によると、被害額は2014年の約2億8540万円が過去最悪だった。今年の被害額は、2カ月を残しながら昨年の約1億7080万円の2倍を超えた。 被害55件のうち、警察官や親族などを装い金銭をだまし取る「オレオレ詐欺」が39件。被害額は約3億1530万円に上り、全体の9割超を占めている。警察官や検察官をかたり「あなたの銀行口座が暴力団に使われている」「あなたに逮捕状が出ている」などとうそを言い、現金をだまし取る手口。他には架空料金請求詐欺が10件、約1070万円、金融商品詐欺が1件、1400万円などとなっている。 被害に遭った年代別では20代6件、30代12件、40代4件、50代8件、60代3件、70代12件、80代10件。従来は高齢者が被害に遭うケースが多かったが、年代は平準化している。 警察官をかたる「ニセ警察詐欺」は、偽の警察手帳を掲示して信頼させ、偽の逮捕状を見せて不安をあおり、「潔白を証明するために口座を調べる」などと言って金銭をだまし取る。被害者からは「信用してしまった」「自分のために捜査してくれると思った」といった声が出ているという。 最新の詐欺の手口は、県警防犯アプリ「ふくいポリス」で紹介している。同課は、知らない番号からの電話には出ないことや、不審電話をブロックするスマートフォンアプリの導入を呼びかけている。ニセ警察詐欺に対しては「警察がお金の話をしたら詐欺だ」と話している。 今年1~10月に認知した交流サイト(SNS)を介した投資・ロマンス詐欺被害は、前年同期比26件増の41件、被害額は約3億2330万円増の約6億5560万円となっている。