生き別れになった父の孤独死、夫の暴力・暴言が……36歳専業主婦が「闇落ち」するまで

2026年1月23日、埼玉県坂戸市福祉総務課職員の男が窃盗容疑で逮捕された。男は自宅で孤独死していた高齢男性の口座から、不正に140万円を引き出したという。引き取り手がない遺体や私物は自治体に引き渡されることが多い。事件が判明したのは、遺産整理を担当した弁護士が、死後に口座から金が引き出されていることを警察に相談していたからだ。 親族や地域と繋がりがないまま、孤立したまま亡くなってしまうことは、社会問題になっている。内閣府の『高齢社会白書』(2025年版)によると、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数は、2013年は2878人だったが、2023年は4957人に増えていた。 孤独死にまつわる問題は、当人だけでなく、家族に影を落とすことがある。社会全体の対策が必要な時が来ているのかもしれない。 キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは、メンタル心理アドバイザー、夫婦カウンセラーの資格を持つ。「実の親が知らない間に孤立死していたことが、心の傷になる人もいます。そのことが、家族の間に影を落とし、浮気に発展することもあるのです」という。 山村さんは「困っている人を救える人になりたい」という気持ちが強い。学生時代は警察官を希望していたが、当時は身長制限があり、受験資格はなかった。一般企業に勤務するが、目の前の人を助けたいという思いは強く、探偵の修行に入る。探偵は調査に入る前に、依頼者が抱えている困難やその背景を詳しく聞く。山村さんは相談から調査後に至るまで、依頼人が安心して生活し、救われるようにサポートをしている。 これまで「探偵が見た家族の肖像」として山村さんが調査した家族のことをお伝えしてきたが、この新連載「探偵はカウンセラー」は、山村さんが心のケアをどのようにしていったのかも含め、さまざまな事例から、多くの人が抱える困難や悩みをあぶりだしていく。個人が特定されないように配慮しながら、家族、そして個人の心のあり方が、多くの人のヒントとなる事例を紹介していく。 今回山村さんのところに相談に来たのは、38歳の専業主婦・明子さん(仮名)。「私が闇堕ちしていた2年間に、夫が浮気をしてるようで、離婚したいと言っているんです」と電話してきた。明子さんの「闇落ち」にある孤独死が大きくかかわっていたのだ。 山村佳子(やまむら・よしこ)私立探偵、夫婦カウンセラー。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやWB連載など様々なメディアで活躍している。

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