【ワシントン=杉本康士】トランプ米大統領は22日、空港の保安検査に従事する職員の不足に伴う混乱を収束させるため、23日から全米各地の空港に移民・税関捜査局(ICE)の職員を派遣するとSNSに投稿した。ICE職員は「素晴らしい仕事をするだろう」と強調し、トランプ政権の国境警備責任者を務めるホーマン氏が指揮を執ることも明らかにした。 空港職員の不足は、運輸安全局(TSA)を所管する国土安全保障省のつなぎ予算案が成立していないため生じている。トランプ氏は、予算案成立に協力していない野党・民主党議員を「極左」「狂人」と罵倒し、「米国を危険にさらしている」と批判した。 民主党は不法移民取り締まりの見直しを求め、国土安全保障省の予算承認を拒否。2月14日から同省の機能が一部停止し、ホワイトハウスによるとTSA職員約5万人の給与が支払われていない。副業で生活費を賄う職員らの欠勤や退職が相次ぎ、搭乗前の保安検査に長時間を要する事態となっている。 ICE派遣の責任者を務めるホーマン氏は、中西部ミネソタ州ミネアポリス周辺で2月まで行った大規模な不法移民の摘発作戦も指揮。強硬な取り締まりの中で米市民2人が射殺されたことで批判を浴びていた。「ボーダーツァー(国境の皇帝)」の異名でも知られている。 トランプ氏は22日のSNSへの投稿で、空港におけるICEの任務には「全ての不法移民の逮捕」も含まれるとしており、空港で強硬な取り締まりが行われれば、さらに混乱する恐れもある。ホーマン氏は米CNNテレビの取材に「たいして重要ではない業務からTSA職員を解放するため、(ICEの)職員を派遣する」と説明した。