千葉県船橋市で2023年7月、生後11カ月の男児が死亡した事案で、千葉市、県、船橋市は30日、外部有識者による検証報告書をそれぞれ公表した。児童相談所が男児の一時保護を解除した後の具体的な支援方法が整理されないまま家庭に復帰させ、「その後の(男児の)安全確認が十分に行われなかった」などと課題を指摘し、再発防止策を提言した。 三つの報告書などによると、男児は2022年8月生まれ。千葉市の児相はネグレクト(育児放棄)の疑いがあるとして、生後5日の男児を一時保護した。翌月に家族は船橋市に転居した。 23年4月、男児が保育園に入るタイミングで、千葉市の児相は養育環境の調整がついたとして一時保護を解除した。6月に家族は市内で再び転居し、保育園を退園。翌7月に男児は死亡し、頭蓋骨(ずがいこつ)や肋骨(ろっこつ)の骨折などが確認された。県警は24年に20代の母親を傷害と傷害致死容疑で逮捕したが、千葉地検は25年に「十分な証拠を確保できなかった」として不起訴とした。 千葉市の報告書は、市の児相が再び介入する際の条件や必要な支援を整理しないまま、男児の一時保護を解除して家庭に戻し、県の児相に引き継いだと指摘した。 保育園が男児の顔などに傷やあざがあることを把握し、写真を撮影したが、千葉市や県の児相などは写真を確認しなかった。千葉市の報告書は「リスク評価、提供された情報の扱いが適切ではないと懸念される」とし、関係機関の連携も十分ではなかったと示した。 そして、家庭訪問の頻度を決めるなど子どもを守るための支援方法を具体的に決めた上で自治体間の引き継ぎを行うよう提言。県の報告書は、当初ネグレクトと判断していても、子どもに傷などがある場合は「身体的虐待の可能性も検討するなどアセスメントを見直すべきだ」とした。【中村聡也、石塚孝志】