巨人・阿部前監督逮捕で児相と警察対応がヤリ玉 専門家は警鐘「妥当性判断すべきでない」

プロ野球・巨人の阿部慎之助前監督(47)が暴行容疑で現行犯逮捕(後に釈放)されたことを巡って、焦点の一つとなっているのが児童相談所と警視庁の対応だ。阿部前監督の自宅エリアなどを担当する児相、法律の専門家に見解を聞いてみると――。 巨人の発表や捜査関係者らによると、阿部前監督は25日午後6時ごろ、東京・渋谷区の自宅で長女(18)と次女(15)のケンカに対し「静かにしろ」と注意したところ、言い返されて長女の胸ぐらをつかんで倒すなどした。長女は対話型AI「チャットGPT」に意見を求め、その回答を受けて児相へ連絡。児相は同7時10分ごろ、110番通報し、阿部前監督は警視庁署員に暴行容疑で現行犯逮捕され、翌26日未明に釈放された。長女にケガは確認されていない。 阿部前監督は容疑を認め、「言い返してきたのでカッとなった」と供述しているという。当時、酒に酔っていたとみられる。ただ、過去に家族から警視庁への相談はなかった。 長女は26日、都内で開かれた阿部前監督の謝罪会見に手紙を寄せた。その内容で気になるのが「児童相談所の職員に相談させていただいたにもかかわらず、どうしたらいいかといった私自身の意向が聞かれることはなく、警察に通報されるという形になってしまいました」という点だ。 渋谷区などを担当する児相担当者は個別事案には答えられず、取材質問のすべてに一般論とした上で対応。その説明によれば、「夜間」帯としている午後5時45分以降は当該児相から委託された事業者が担当している。その時間帯に児相虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」で相談があり、事業者が事案に緊急性が高いと判断した場合、自ら110番通報したり、相談者、または第三者に110番通報を促したりする。事業者が緊急性が低いと判断した場合、その翌日に引き継いだ児相が改めて担当する。 110番通報の運用に細かなマニュアルがあるわけではなく、ケースバイケースで対応。児相であろうが、委託先の事業者であろうが、「子どもの安全」を最優先にし、相談者からきちんとヒアリングしているとした。 アディーレ法律事務所の長井健一弁護士は、今回、児相が110番通報するのは大げさだとするSNSの指摘について「児相は18歳未満の児童を対象としているので、長女は対象外となります。ただ、相談時の状況から緊急性が高いと判断したこともあって、警察に通報したのではないかと思われます。相談時に話した内容などが不明な状況で、対応の妥当性を判断すべきではないと思います」と冷静に見守るよう呼び掛ける。 長女は児相の110番通報、警視庁の逮捕を想定していなかったとされるが、警視庁が逮捕に踏み切ったことには「警察が現場に到着した際の状況が不明なので、妥当かどうかの判断はできません。ただ、阿部前監督が興奮していて状況を説明できない、または拒否するなどといった状態で、このままにしておくと長女が危険であると思われる状況があれば、隔離するために逮捕することも考えられます」と指摘した。 阿部前監督に対する刑事処分として「検察官へ送致しない微罪処分、または書類送検後に不起訴処分になると思われます」という。その理由は「まず、警視庁は逮捕後に釈放していることから身体拘束を継続する必要性は高くないと判断していると考えられることです。次に、被害者である長女の手紙からすると処罰を望んでいないことです」と解説した。

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