「餃子の王将」社長射殺事件で工藤会系組幹部に無罪判決 無期懲役求刑に「犯罪の証明ない」 京都地裁

(裁判長) 「主文、被告人は無罪」 判決を聞き、被告はほとんど反応することなく、まっすぐ裁判長を見据えていました。 福岡県を拠点とする特定危険指定暴力団「工藤会」系の組幹部である田中幸雄被告(59)。 2013年12月、京都市山科区にある「王将フードサービス」本社前の駐車場で、当時の社長だった大東隆行さんを拳銃で撃ち、殺害した罪に問われていました。 (大東隆行 社長(当時)) 「とりあえず食べてもらわなあかんから、餃子を。5人前無料にしてみたり、10人前無料にしてみたり。そうすることによってどんどんお客さんが来てくれた」 誰が大東さんを殺害したのか。目撃者はおらず、凶器とされる拳銃も見つかりませんでした。 不適切な不動産取引などで経営危機に瀕していた当時の「王将」。大東さんが殺害されたのは、取引の社内調査の報告書が取締役会に提出されたわずか1か月後でした。 事件発生から9年後の2022年、実行犯として逮捕された田中被告。 去年開かれた初公判でー。 (田中幸雄 被告) 「私は決して犯人ではありません。到底承服できない」 事件について、初めて公の場で口を開いた田中被告は、起訴内容を全面的に否認。 弁護側は、その後も一貫して無罪を主張しました。 裁判では、犯行をとらえた映像や目撃証言など直接的な証拠がない中、検察側は、いわゆる“間接証拠”を積み重ねました。 中でも、検察側が最も立証に時間をかけたのがー。 現場近くで見つかった「タバコの吸い殻」から検出されたDNA型が、田中被告のものと一致する事実を指摘。 検察側は、吸い殻の形状などから、このタバコは田中被告が犯行直前に現場近くで吸って捨てたものであると主張しました。 一方の弁護側はー。 (弁護人) 「検察が示す用心深い犯人像が現場にタバコの吸い殻を残すのは考えにくい。被告を陥れるために真犯人が置いた可能性もある」 検察側の立証は不十分だとして、無罪を主張していました。 今年6月の論告で、検察は「周到に準備された組織的で計画的な犯行で、反省の姿勢も見られない。社会に与えた影響、反社会性は極めて大きい」などとして無期懲役を求刑しました。 最後に意見を求められた田中被告は― (田中幸雄 被告) 「許されるのであれば、法廷の一人一人に『私は犯人ではありません』と伝えて回りたいです。私は犯人じゃなかとばい!」 1年近くにわたって行われた裁判の末、迎えた16日の判決―。 京都地裁は、殺害現場近くで見つかったたばこについて、「被告本人のものと認められるが、下見の際に落ちた可能性や第三者が持ち込んだ可能性は排除できていない」などとした上で、「いずれの犯罪の証明もないため被告人は無罪」と判決を言い渡しました。

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