ダンプカー衝突事故はなぜ起こったのか 交差点で42歳女性が死亡…地域住民が求める改善策「なんで歩者分離にならないんだ」

神奈川・横浜市栄区の桂町交差点で20日、42歳の女性が自転車で子どもを迎えに行く途中、ダンプカーにはねられ死亡する事故が発生した。地域住民から「いつも危なくて」との声も上がる交通量の多い変則四差路交差点。未然に防ぐことはできなかったのか。現地を取材した。 報道によると、事故が発生したのは20日午後3時過ぎ。横断歩道で自転車に乗っていた42歳の女性と左折中のダンプカーが衝突した。女性は意識不明の状態で病院に搬送されたが、その後、死亡が確認された。警察は、ダンプカーの運転手を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕。女性は塾に通う子どもを迎えに行く途中だったという。 現場はJR京浜東北・根岸線本郷台駅から徒歩7分ほどの市道・笠間139号線と県道が交差する場所だった。 22日、現地を訪れると、道路沿いの樹の根元には献花や飲料が手向けられていた。現場近くに住む男性は「ドンって音を聞きつけて、警察が意識確認で必死に声をかけている様子を見ました」。近隣に職場があるという女性は「仕事で少しだけ関わったことがある人だったのでニュースを見てびっくりして」と、動揺を隠せない様子だった。 痛ましい事故はなぜ起こったのか。周辺を取材すると、以前から危険が問題視されていた場所だったことが分かった。 小学生と中学生の子どもがいる30代女性は、「ここいつもすごく危なくて、なんで歩者分離にならないんだってずっと前から思ってました。子どもにも『ここ絶対渡らないで』と言ってるぐらい。見通しも悪いし、危ないなと思ってて。轢かれそうになったこともあります」と証言する。 かねて保護者間でも対策を求める声が上がっており、市に電話をかけたこともあったという。実際、現場は県道の西側には別の側道も存在するものの、信号機は設置されておらず、県道や市道から進入が可能となっており、複雑な構造をしていた。左折してくる車やバイクがスピードを出したまま通過するシーンもあり、注意をそらされる要因が点在していた。女性は「歩車分離式信号の導入をしてほしい」と改善案を訴えた。 また、別の住民も「信号の待ち時間が長いから、行けそうと思ったら行く場合もあるんじゃないか」と話した。 この日は、複数の警察官が事故現場を訪れた後、交差点付近で誘導する姿も見られた。交通量の多い交差点はただでさえ、事故が起こりやすい。 今後の対応について、栄区は「警察の方から原因分析みたいなことをまだ報告を受けてないので、どういう形になっていくか分からないところではあります。私ども、年間10数回以上の啓発する機会があるんですけれども、歩行者側の皆様に横断歩道を渡るときの注意や、自転車のヘルメット着用を必ずしてほしいというような啓発をまずはやっていくことかなと思っています。構造的なところが複雑というのは警察とも共有してるところなのですが、そのあたりの分析はこれからだと思います」と話している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加