東京都知事選の選挙期間中に、前参院議員で知事選の候補者だった蓮舫氏の事務所に金銭を要求する文書を送ったとして、警視庁捜査1課は5日、仙台市泉区西中山2、無職、大浦康宏容疑者(52)を強要未遂容疑で逮捕したと発表した。旧民主党政権の「事業仕分け」に不満を持っていたとみられる。 逮捕容疑は2024年6~7月、東京都中野区の蓮舫氏の事務所に「公職選挙法違反の証拠を数点握っております」「100万円送ってください。送らない場合は、7月5日の街頭演説で安倍首相を思い出すようなことがあるかもしれません」などと記載した文書1通を郵送したとしている。 警視庁によると、大浦容疑者は旧民主党政権の事業仕分けで勤務先の会社の事業が縮小し、不本意な異動を強いられて退職したと供述。「都知事選で蓮舫氏の演説を聞いて強い憤りを思い出した」と話し、容疑を認めているという。 文書の送付元は、事件とは無関係の男性の名前と住所が記されていた。この男性と大浦容疑者が過去にトラブルになっていたことから、関与が浮上したという。蓮舫氏の事務所には選挙期間中に「支援者の誰かがけがをするかもしれない」「街頭演説で派手な花火が上がる」と書かれた文書も同じ男性の名前で届いており、警視庁が関連を調べている。【菅健吾】