横浜の強盗殺人 実行役の2容疑者を再逮捕 粘着テープから指紋

横浜市青葉区の住宅で2024年10月、住人の男性(当時75歳)が暴行を加えられて死亡した事件で、神奈川県警は10日、実行役とみられる愛知県春日井市の通信回線営業員、藤井柊(しゅう)(27)と住所不定、無職の久保田陸斗(22)の両被告=強盗致傷罪などで起訴=を強盗殺人と住居侵入容疑で再逮捕したと発表した。再逮捕は6日。 首都圏を中心に相次いだ「闇バイト」が絡む強盗などのうち、唯一被害者が死亡した事件で、関連して逮捕されたのは計5人となった。神奈川や千葉など4都県警の合同捜査本部は背後にいる指示役らの実態解明を進めている。 実行役は両容疑者を含む3人とみられる。うち1人は千葉県印西市の塗装工、宝田真月(まづき)被告(23)で、神奈川県警に24年10月に強盗殺人容疑で逮捕され、横浜地検に強盗致死罪などで起訴された。藤井、久保田両容疑者は千葉県市川市などの強盗致傷事件に実行役で関与したとして逮捕・起訴されていた。 再逮捕容疑は24年10月15日ごろ、宝田被告らと共謀して、後藤寛治さん方に侵入。後藤さんに暴行を加えて殺害し、現金約17万円や貴金属など99点(時価50万5500円相当)を奪ったとしている。 神奈川県警によると、藤井容疑者は黙秘しており、久保田容疑者は「暴行は加えていない」と容疑を一部否認しているという。 後藤さんの死因は全身打撲による出血死で、遺体は粘着テープで手足を縛られていた。捜査関係者によると、粘着テープから藤井容疑者の指紋が検出されており、久保田容疑者も千葉県警の調べに横浜市の事件への関与をほのめかしていたという。 実行役の3人は、事件前日の14日に横浜市青葉区内の駅とコンビニで合流し、宝田被告の車で後藤さん宅に向かったとみられる。宝田被告は藤井、久保田両容疑者とは「知り合いではない」と供述。後藤さんへの暴行は「見ていたがやっていない」と主張しているという。 一方で、宝田被告は指示役から秘匿性の高い通信アプリで後藤さん宅に行くよう指定されていたと説明。事件当時も指示役と通話して指示を受けていたという。神奈川県警は3人の役割分担を調べるとともに、指示役の特定に向けて携帯電話の解析などをしている。 事件では、実行役が奪った現金を回収したとして、東京都足立区の無職、木本未穂被告(30)が組織犯罪処罰法違反と盗品等運搬罪で起訴されている。さらに木本被告からの現金や別事件の被害品を回収したとして埼玉県川口市の無職、保坂海斗被告(25)も両罪で起訴されている。【宮本麻由、横見知佳、柿崎誠】

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