乾燥大麻を密売していたとして、千葉県警は指定暴力団稲川会傘下組織幹部、大岩正延容疑者(55)=千葉市中央区栄町=を、麻薬特例法(業として行う大麻譲渡)違反容疑で再逮捕し、27日発表した。「大麻の密売には何も関わっていない」と容疑を否認しているという。 薬物銃器対策課によると、大岩容疑者は昨年4月19日~5月16日、同市内を中心に複数箇所で、配下の密売人を通じて乾燥大麻計約280グラムを140万円で売った疑いがある。 昨年4月、密売グループの1人を大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕し、その後の捜査で関係者の供述などから大岩容疑者が浮上した。密売人らは離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」で、暴力団幹部の大岩容疑者がそのリーダー格だったとみられる。県警は違法薬物の密輸・密売による収益が暴力団の資金源になっていたとみている。密売グループはX(旧ツイッター)で野菜の絵文字などを投稿し、それに反応した人を匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」に誘導し、手渡しで販売していたという。 一連の事件に関係し、警視庁と千葉、神奈川両県警などでつくる合同捜査本部は、これまでに大岩容疑者を含む53人を検挙しており、乾燥大麻約38キロのほか、覚醒剤約3キロやMDMA約1万5千錠など末端価格計4億9700万円分を押収したという。