女性の留置施設が集約化 12県は1カ所 「接見交通権侵害」の声も

警察署内にある女性の容疑者・被告の留置施設の集約化が進んでいる。警察庁などによると、2024年4月時点で女性の留置施設を1カ所に集約しているのは12県警に上り、3年間でほぼ倍増した。施設が遠方になり、接見回数を減らすケースも出ており、弁護士側からは「接見交通権の侵害だ。女性のみに不利益を負わせるのは性差別だ」との声もあがる。 福島県警は24年3月、4カ所あった女性の留置施設を県中央に位置する郡山市の郡山北署に集約した。だが、郡山支部を除く五つの弁護士会支部から署までは片道50~100キロほどある。 福島県弁護士会が昨夏に行ったアンケートでは、回答した47人のほとんどが女性留置施設の集約化に反対。8人は負担の大きさなどから女性の弁護を「今後は受任しない」と答えた。実際に女性の弁護を担った15人のうち半数が、同種事件と比べて接見を減らした。 警察庁や各県警によると、女性の留置施設が1カ所なのは、福島▽山梨▽富山▽福井▽鳥取▽徳島▽香川▽愛媛▽高知▽佐賀▽大分▽宮崎――の12県警。21年4月時点では7県警だった。 留置された女性への適切な処遇の推進を目的としているが、男性警察官が留置施設で勾留中の女性にわいせつ行為をした問題を踏まえ、「警察官の不適切事案の未然防止」を目的の一つに挙げる県警も複数あった。 福島県弁護士会の鈴木靖裕・前会長は「女性の性被害を防ぐために女性の容疑者らに不利益を課すことは本末転倒。警察職員への教育や適切な人員配置など別の方法で対策をすべきだ」と話す。(酒本友紀子、板倉大地)

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