広末涼子容疑者(44)が静岡県内の病院で看護師を暴行、ケガをさせて逮捕、というニュースが流れ、驚いた人も多く、世間はざわついた。 報道されている事故現場の写真を見ると、広末が運転していたクルマの前部は激しく潰れていて、事故の大きさを物語っている。同乗者は重傷ということだが、本人や追突されたトラックの運転手に大きなケガがなかったのは幸いなことだろう。 たしかにこれだけ大きな事故を起こしたとなれば、パニックになるのはあり得ることだが、警察の取り調べ中にも取り乱した状態が続き、事故を起こす前に立ち寄ったパーキングエリアでの不可解な行動も報じられ、単に“パニックになっただけではないのでは”という憶測を呼ぶことになった。 その後、警察が薬物検査を実施するという報道が出たため、あらぬ疑いをかけられることになったのだが、特に違法な薬物が検出されることはなかったようだ。 そこで、蒸し返されたのが、彼女の過去の“奇行”だ。 よく知られているのが2001年7月、FRIDAYが報じた“大奇行”。タクシーに乗って都内の自宅から150km離れた千葉・白浜に移動、そこで理解不能な行動が目撃されたのである。なぜそんな場所に。当時、彼女を取材したことのあるスポーツ紙の記者によれば、 「撮影中のドラマのロケ地だったようです。おそらく彼女は撮影に向かったんでしょう。財布を持っていなかったのは、現地でスタッフかマネージャーが支払うことになっていたのでは。ロケ現場と知っていたからファンが集まっていたんでしょうね。ただその日は悪天候でロケが中止になり、現地に着いてからそれを知ったということでした。その後、食堂でおしゃべりしたり、従業員にカセットデッキを借りて、ファンと一緒に盛り上がっていたのは、彼女なりのファンサービスだったのかもしれません」 と、“奇行ではなかった”と証言するが、私は彼女のノリノリの姿を目撃したことがある。 やはり“奇行”が話題になっていた頃の話だが、都内のクラブに広末がいるという情報を得て、現地に行ってみると、なんと本当に広末がフロアで踊っていたのだった。 同伴者がいるかと周りを見渡してもいないようで、彼女は一人で来店していたようだった。ただ、店を出るときに気づいたのだが、当時交際のウワサのあった金子賢が店の外に一人で、携帯をいじりながらたたずんでいた。 ◆うしろのポケットにマヨネーズ!? 店内の広末は、着ていたスウェットを脱いだり着たりを繰り返し、体をくねらせながらノリノリで踊っていた。やがて踊り疲れたのか、カウンターの私の隣の席にきてテキーラを注文すると一気飲み。そして私に腕を絡ませ、こう言ったのだった。 「飲みが足りないよ。もっと飲みな」 フレンドリーなのか、“奇行”なのか分からないが、乾杯をさせられた記憶がある。 またある時、都内のスタジオで待っていると、車から降りた広末のジーンズのうしろのポケットに、何か妙なものが差し込まれているのが確認された。赤いキャップの容器は紛れもなくマヨネーズだった。 たしかに“マヨラー”が話題になったころだったが、彼女がマヨラーだったのには驚いた。しかも大きいサイズの容器だったのでなおのこと驚いたのだった。 奇行とまでは言えないが、確かにちょっと変わっているのは間違いないだろう。 「広末さんは仕事中に“プッツン”といわれるような不可解な行動をしたり、意味不明の言動があったことは、これまで一度もないです。トーク番組に出演中やインタビューを受けても変だなという発言を聞いたことがない。普通だと思いますが、逆にそれが素の自分じゃないから、プレッシャーが大きいのかもしれません。仕事を離れるとその反動で、はじけてしまうのかも」(キャスティング会社社員) また、 「昔からそうですが、品行方正で優等生と言われている人より、少し変わっていてクセのある人のほうが役者としていい味を持っていると思います。いい作品を作りたいと考えている監督やプロデューサーに選ばれやすいんだと思います」(同・キャスティング会社社員) 業界には広末ファンが多いことはよく知られている。いま40代、50代になって決定権を持つようになったテレビや映画の関係者にも、彼らが青年期に憧れだった広末と“一緒に仕事がしたい”という人は多い。 「だから彼女がどんなにスキャンダルに見舞われようが、仕事が完全になくなることはないでしょう。実際、不倫騒動のほとぼりが冷めると、映画やドラマのオファーは入ってきてますからね」(スポーツ紙記者) 広末は中学生のとき、将来の夢について 《18歳で芸能界デビュー、20歳でレコード大賞、22歳で映画賞、100歳で美空ひばりさんのような葬儀》 と4コマ漫画に描いていた。 芸能界での夢は実現できたが、さすがに“不倫”“離婚”“逮捕”は予測できなかったようだ――。 取材・文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)