コンビニでやたら目が合う男、店員の勘が働いた 清掃装い近づくと…

コンビニ店員の鋭い勘が、特殊詐欺の「出し子」の疑いがある男の逮捕につながった。神奈川県警加賀町署は4月23日、「ローソン横浜本町四丁目店」に勤務する林娟娟(リンケンケン)さんと、店長の飯森謙治さんに感謝状を贈った。店内での男の様子に林さんが抱いた違和感が逮捕の決め手になった。 男が来店したのは3月7日午前。店内のATMを操作していたが、やけに長い。何度も暗証番号を間違えている様子で、レジ付近にいた林さんと頻繁に目が合った。 「こちらの様子をやたら気にしているようだ」と感じた林さんは、清掃を装って男に接近。男は、洋服のポケットからカードを出し入れするなどしていた。犯罪に関与している可能性が高いと感じた林さんは、同僚と情報共有し110番通報。男は同日、窃盗容疑で逮捕された。58歳の内装業者で、他人名義のキャッシュカード二十数枚を所持していた。調べに「飲み屋で知り合った男から『金になる仕事がある』と出し子の仕事を紹介された」と供述したという。「お客様を通報することには勇気がいった」と林さん。署は、迷ったら積極的に警察に相談して欲しいとしている。 県警によると、1~3月末に県内で確認された特殊詐欺被害は506件で、被害総額は約21億5900万円に上る。手口別ではオレオレ詐欺が236件と最多で、通帳やカード類をだまし取る預貯金詐欺(111件)、還付金詐欺(70件)などが続く。オレオレ詐欺では、警察官をかたる手口が目立つという。 また、同期間中のSNSを利用した投資詐欺、ロマンス詐欺の被害は計120件(被害総額約16億3900万円)あった。(奥田薫子)

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