県発注の工事を巡る"贈収賄"事件 逮捕の3人が知り合った経緯が明らかに 県はヒアリングが甘かったと議会で陳謝 秋田県

秋田県発注の工事を巡り、賄賂をやりとりしたとして3人が逮捕された事件で、県職員が、数年前に、業者側の加工所のセンター長と知人関係になり、その仲介を受けて社長と知り合っていたことが新たに分かりました。 県は、職員逮捕まで事件を把握できなかったことについて、ヒアリングが甘かったと議会で陳謝しました。 この事件は、県が発注した道路の補修工事などを巡り、業者に便宜を図った見返りとして、現金200万円を受け取った収賄の疑いで、県職員の齊藤一人容疑者56歳が、逮捕・送検されたものです。 贈賄の疑いでは、青森県五所川原市の大成産業の社長・長谷川武哉容疑者81歳と、潟上市にある秋田木材加工センターの前センター長・御所野富雄容疑者77歳が逮捕、送検されています。 警察のこれまでの調べで、齊藤容疑者は、数年前に御所野容疑者と知人関係になり、その仲介を受けて長谷川容疑者と知り合っていたことが新たに分かりました。 警察は、齊藤容疑者と2人の間にほかにも金のやり取りがなかったかどうかなども慎重に調べています。 県 建設部 小野潔 部長 「県民の信頼を根底から揺るがすとともに、建設部が組織として深刻な問題に直面していると言わざるを得ず、極めて遺憾であり、心より深くお詫び申し上げます」 「この度は大変申し訳ありませんでした」 県は、職員の逮捕を受け、30日に開かれた県議会建設委員会で陳謝するとともに、これまでの経緯などを説明しました。 県発注の工事を巡っては、去年8月にも、元職員が賄賂を受け取ったとして逮捕され、その後、有罪判決を受けています。 自民 髙橋豪 議員 「前回の逮捕事案から間もなくこういう形になっているということであれば、これどうなんでしょうね、組織の中で伝統なんて言ったらなんかおかしいですけど、やり方が常態化しているというか、そういったことっていうのは考えられないんでしょうか」 近藤雅 建設産業振興統括監 「同じような業務の内容ですけども、事案はちょっと違ってきている、ただ、いわゆる斡旋行為というのは同様のことを実施しておりますので、確かにこういった業務におけるチェック機能というところが不足していたというところは反省すべきところではあります」 自民 佐々木雄太 議員 「前回起きた時に、私同様の事件案件がありませんかと、そうした時に、『ヒアリングを徹底してやった結果、同様の事案はありません』とはっきりお答えになっています、で今回です」 県 建設部 小野潔 部長 「新任の知事からもですね、膿を出すようにと言われております。で、昨年度実施しました職員600人ほどへのヒアリングが確かに甘かったというご指摘は、その通り受け止める必要があると思っております」 職員2人による業務の斡旋が相次いで明るみになった県建設部。 県は、関係部局に改めて再発防止を徹底するよう文書で通知したほか、事実関係を把握した上で、逮捕された職員の処分を決定する方針です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加