名古屋市発注の観光プロモーション事業を巡り、元担当課長の大塚勝樹容疑者（62）が逮捕された汚職事件で、愛知県警は9日、収賄容疑で同市役所を家宅捜索した。 押収資料を分析し、癒着の実態解明を目指す。 大塚容疑者は2023年3月～24年12月ごろ、市の観光プロモーション業務委託で、広告会社「ニック」（同市）を選定するなどの便宜を図った謝礼として私的な飲食代など計約43万円を同社に負担させた疑いが持たれている。 捜査関係者によると、大塚容疑者は、贈賄容疑で逮捕されたニック役員の桑原清美容疑者（54）と知人を介して面識を得た。22年8月以降、ニックと随意契約を結ぶなど便宜を図るようになったという。 ニックが大塚容疑者の便宜供与によって受注した事業は計43件、計約1600万円に上った。中には大塚容疑者の口利きで下請け参入した件もあった。