東大生「怒り向けるのは間違い」 恐怖や憤りあらわに 東大前駅刺傷

東京メトロ東大前駅の刺傷事件で、逮捕された自称自営業戸田佳孝容疑者(43)は「親からの教育虐待」を襲撃動機に挙げ、「連想しやすいと思い、東大前駅を選んだ」と供述した。 東京大生らは9日、恐怖の声とともに、「怒りを東大に向けるのは間違っている」「安直だ」と批判した。 捜査関係者によると、戸田容疑者は逮捕当初、黙秘していたが、8日午後から動機などを語り始めた。「中学時代、教育熱心な親のせいで不登校になり、苦労した」「東大を目指す教育熱心な親たちに、度が過ぎると子どもがぐれて、私のように罪を犯すと示したかった」などと供述しているという。 同大に通う男子学生は「教育虐待はない話ではないが、怒りを東大に向けるのは間違い」と憤りをあらわに。同大関係者の男性(24)も「駅名に『東大』が入っているからと事件を起こすのは安直だ」と批判した。 同大を巡っては2022年1月、入学を志望する当時高校2年の男が、大学入学共通テストに訪れた受験生ら3人を包丁で刺す事件があった。 この日、同大で共通テストを受けたという4年の男子学生は「身の危険もあり、いつもと異なる緊張感があった」と当時を振り返り、「勉強する場で事件が起きると怖い」と話した。工学部2年の女子学生(20)も「また東大が狙われた。東大前駅を使うので、自分も居合わせていたかもしれない」と声を震わせた。

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