電動モーターで走るペダル付きバイク「モペット」で信号無視をして事故を起こし、歩行者にけがをさせたとして、警視庁交通捜査課は16日、東京都墨田区東向島1の会社員、南倫太郎容疑者(45)を自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで逮捕したと発表した。モペットによる事故で警視庁が同容疑で逮捕するのは2例目という。 逮捕容疑は1月28日午前8時45分ごろ、中央区日本橋馬喰町1の国道6号で、モペットで走行中に赤信号を無視して交差点に入り、横断していた歩行者の20代女性と衝突し全治3週間の左足打撲などのけがをさせたとしている。「赤信号だったかは、はっきりと覚えていない」と容疑を一部否認しているという。 警視庁によると、南容疑者はモペットに必要なナンバープレートやバックミラーの整備をしていなかった。モペットは海外の通販サイトで購入し「電動アシスト自転車よりもデザインが気に入った」などと話しているという。 南容疑者は事故直前にも一方通行の道路の逆走を2回、信号無視を3回繰り返していたとみられる。 モペットによる人身事故は2024年に都内で33件発生し、うち1件は運転手が死亡した。交通違反は1519件あり、ナンバープレートを付けていない標識表示義務違反643件▽ヘルメットの無着用494件▽歩道の走行や逆走など通行区分違反178件――の順に多かった。 警視庁は「モペットは手軽な乗り物ではなく、免許が必要な『原付きバイク』で、大きな事故にもつながる。よく法律を確認してから購入して」と呼びかけている。【菅野蘭】