米国土安全保障長官、「人身保護令状」の意味取り違え 公聴会

【AFP=時事】クリスティ・ノーム米国土安全保障長官は20日、上院の公聴会で「ヘービアス・コーパス(人身保護令状)」の意味を誤って説明し、当局による身柄拘束について裁判所で異議を唱える権利を指すにもかかわらず、逆の意味だと主張した。 移民・税関当局を監督し、ドナルド・トランプ大統領の移民強硬策の実施に重要な役割を果たす立場にあるノーム氏は、ホワイトハウスのスティーブン・ミラー大統領次席補佐官が「人身保護令状」に関して行ったコメントについて上院委員会の公聴会で質問を受けた。 ミラー氏は5月9日、ホワイトハウスは「大量追放の対象となる移民が裁判所に訴える権利を行使しないよう、ヘービアス・コーパスの停止を検討している」と述べていた。 ニューハンプシャー州選出のマギー・ハッサン上院議員(民主党)に「ヘービアス・コーパスとは?」と質問されたノーム氏は、「ええと、ヘービアス・コーパスとは、大統領が有している憲法上の権利で、大統領は、この国から人々を追放し、その人々の権利を停止することができるもので……」と答えたところをハッサン氏にさえぎられた。 ハッサン氏はノーム氏の回答を訂正し、「ヘービアス・コーパスとは、政府が人を勾留・収監する公的な理由を示すことを義務付ける法的原則のことだ」と説明。 「この保護がなければ、政府は米国民を含め、人々を逮捕し、理由もなく無期限に拘束できる」 「ヘービアス・コーパスとは、米国のような自由社会と北朝鮮のような警察国家とを分ける基本的な権利だ」と続けた。 ノーム氏は、「私はヘービアス・コーパスを支持している」と言い直したが、大統領にはそれを停止すべきかどうかを決定する権利があると主張した。 一方で、トランプ政権はヘービアス・コーパスに関する裁判所の判決に従うと述べた。【翻訳編集】 AFPBB News

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