「シグナル」「模範タクシー」続編が待たれる“憑依型俳優”イ・ジェフンが41歳に 「捜査班長1958」ではレアな恋愛シーンも

2025年もドラマ「交渉の技術」に映画「焼酎戦争」、加えて映画「脱走」の日本公開…と話題を振りまき続ける韓国の人気俳優イ・ジェフンが7月4日、41歳の誕生日を迎えた。「復讐代行人2~模範タクシー~」(2023年)でのコミカルな潜伏捜査シーンが話題をさらい「SBS演技大賞2023」を獲得。その後も、ある時はM&Aを成功に導く交渉の達人、またある時は命懸けの脱走を試みる北朝鮮の兵士、そしてまたある時は恋に胸をときめかせる純朴な田舎刑事…と、作品ごとにまったく違う顔を見せるジェフン。誕生日を迎えたこのタイミングで、彼の魅力にあらためて迫る。 ■デビュー作は短編ミステリー映画 1984年7月4日生まれのジェフン。学生の頃から映画が大好きで次第に俳優を夢見るようになり、2007年に短編ミステリー映画「夜は彼らだけの時間」で俳優デビューを果たした。 キャリア初期は映画を中心に活躍。特に、愛を知らない不良高校生・ギテのヒリヒリする孤独を演じた「BLEAK NIGHT番人」、朝鮮戦争の南北境界線付近で過去のトラウマに苦しむ若き大尉シン・イリョンの痛みを体現した「高地戦」(ともに2011年公開)で高い評価を受け、「第32回 青龍映画賞」「第31回 韓国映画批評家協会賞」「第48回 大鐘賞」といった名だたる映画賞で新人賞を総なめにした。 ■「シグナル」「復讐代行人~模範タクシー~」は続編も その後、古びた無線機を通して過去とつながる天才プロファイラー、パク・ヘヨンを演じたドラマ「シグナル」(2016年)が大ヒット。ケーブルテレビ史上歴代3位の視聴率を獲得し、韓国で“シグナルロス”を生んだこの作品がジェフンの代表作の一つとなった。 2021年には、ドラマ「復讐代行人~模範タクシー~」が同時間帯視聴率1位、演技大賞6冠の大ヒット。表向きは模範的なタクシー運転手、裏では社会的弱者に代わって悪人を懲らしめるダークヒーロー、キム・ドギを演じたジェフンも迫力のアクションとコミカルな変装シーンのギャップが人気を博し、2021年のシーズン1で「SBS演技大賞」最優秀演技賞、2023年のシーズン2では最終回視聴率が21%を突破し「SBS演技大賞」でもキャリア初の大賞を獲得。新たな“人生キャラクター”を作り上げた。 2025年にはこの「シグナル」と「復讐代行人~模範タクシー~」の新たな続編の制作が確定したというビッグニュースが立て続けに届き、ファンを大いに喜ばせた。 ■「交渉の技術」では印象激変の白髪姿も話題に 作品ごとにがらりと人格を変えてみせる憑依型の俳優で、直近の作品でも、「脱走」で軍事境界線を目指して死に物狂いで激走し続ける“動”の人・軍曹ギュナムを壮絶に演じたかと思えば、ドラマ「交渉の技術」では白髪姿で一切感情を読ませない“白蛇”こと交渉のプロ・“静”のユン・ジュノを淡々と、それでいてカリスマ性あふれる人物として演じきった。 一方で、大ヒット恋愛映画「建築学概論」(2012年)で主人公・スンミンの大学生時代を演じ“初恋のアイコン”と呼ばれて以来、ジェフンのロマンス演技を熱望するファンも多いが、近年は特に骨太な作品が多め。ここ数年はジェフン自身も取材会などで「そろそろロマンス作品もやりたい」「誰よりもロマンスを恋しがっているのにオファーが来ない」と漏らしているほど。 そんなジェフンが2024年にロマンス演技を披露した貴重な作品が、ディズニープラスのスターで独占配信中のドラマ「捜査班長1958」だ。 ■根っからの熱血刑事・ヨンハンを好演 同作は、1971年から89年まで放送されていた韓国の伝説的な刑事ドラマ「捜査班長」の前日譚。破天荒な熱血刑事パク・ヨンハンと仲間たちの活躍を描いた「捜査班長」の世界観の中で、オリジナル版では韓国を代表する俳優チェ・ブラムが演じたヨンハンの若き日を、ジェフンが演じている。 時は1958年の韓国ソウル。汚職にまみれた刑事たちの中で、地方から赴任してきたばかりの“牛泥棒専門”の田舎刑事ヨンハンが自らの腕っぷしと正義感、仲間との絆を武器に信念を貫く姿が気持ちいいこの作品。一方で、サイドストーリーとしてヨンハンと書店の店主イ・へジュ(ソ・ウンス)とのかわいらしいロマンスも描かれていく。 犯人逮捕となったら、せっかく取り付けたデートの約束も頭からすっぽ抜けてしまう根っからの熱血刑事・ヨンハンと、そんなヨンハンの押せ押せアプローチに次第に心を開いていくへジュの“友達以上恋人未満”な関係性がたまらない。 第3話では、部下にズバリ「いい仲なんですか?」と聞かれ、「へジュさんを困らせるようなことを言うな。俺の片思いだ」ときっぱり答えるヨンハンの男気にもキュンとしてしまう。ストーリーが進むと、ヨンハンとへジュのかわいいキスシーンも…。本格的なロマンス作品はまだ先になりそうなジェフンだけに、「捜査班長1958」での甘酸っぱい恋模様はファンにとっても貴重なものだろう。 ■ファンに優しいスター 日本語でメッセージも 学生時代から変わらぬ映画好きで、プライベートでの旅行先で現地の映画館を訪ねるのが好きだというジェフン。6月に行われた「脱走」のジャパンプレミアでも「東京でも、これまでインディペンデント系の映画館やシネコンに行きました」「映画館を訪れるたびに、“いつかこの映画館で、自分の作品が上映されたらどんなにすてきだろう”とずっと思っていました」と明かし、客席を沸かせていた。たまたま訪れた映画館でイ・ジェフンに遭遇したら…思わずそんな楽しい妄想が膨らむ。 ファンサービスに熱心なことでも知られていて、「脱走」ジャパンプレミアでは日本語で「ここだよ!」と声を上げながら客席から登場する神対応も。先日全話配信となった「交渉の技術」でも、日本公式SNS向けに日本語で「おはよう!朝だよ!早く起きて、夜はドラマを楽しもう!」とウインク&ハート付きのSPメッセージを準備し、交渉の達人とは180度違うチャーミングな姿でファンを喜ばせたばかりだ。 現在は「シグナル2」と「復讐代行人3~模範タクシー~」の準備に追われているであろうジェフン。40代に突入し、より深みを増した演技とチャーミングな素顔でさらにファンを楽しませてくれるに違いない。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部

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