米南部国境の壁を黒塗りに、国土安全保障長官が発表 炎天下で登る人減らす狙い

(CNN) 米国土安全保障省のクリスティー・ノーム長官は19日、南部国境沿いの壁を黒く塗ると発表した。壁表面の高熱化により、登れなくなるようにする狙いがある。トランプ大統領からの提案だったという。 ノーム氏はニューメキシコ州サンタテレサで行われた記者会見で、実際に壁の前に立ち、「壁は高さがあるので登るのは極めて困難であり、ほぼ不可能。また地中深くに埋め込まれているため、下を掘るのも不可能ではないとしても至難の業だ。加えて今回、我々は壁を黒く塗る予定だ」と述べた。 「具体的には大統領の要請による措置となる。現地の高温の中では、黒く塗った物は一段と熱を帯び、登るのがさらに困難になる。大統領はそれを理解している」(ノーム氏) 米国境警備隊(USBP)を率いるマイケル・バンクス氏は、黒く塗ることで壁の素材である鋼鉄の錆(さび)も防ぐことができると述べた。 壁の塗装計画は、トランプ政権が6月に南部国境で逮捕された人数が6000人強と主張する中で立ち上げられた。3月時点の記録から15%の減少だったとしている。 南部国境の壁は、トランプ氏の大統領1期目における強硬な移民政策の柱だった。2期目の今、トランプ氏の焦点は主に国外追放と米国内での取り締まり強化に移っている。 ノーム氏は壁の塗装費用については言及しなかったが、政権はトランプ氏が支持した「一つの大きく美しい法」を通じて、国境障壁システムの近代化に約465億ドル(約6兆9000億円)の資金を確保している。これには長さ約1120キロの主要壁の建設完了も含まれる。 ノーム氏によると、政府は毎日約800メートルずつ壁を建設している。壁は建設される場所の地形や地理によって大きく異なる外観になるという。 同氏はまた、「水上インフラ」やカメラ、センサーといった先進技術も導入していると説明した。

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