法人口座を売却する目的で活動実態のない会社を設立したとされる事件で、京都府警捜査5課などは4日、詐欺の疑いで、京都市伏見区の中国籍の会社役員の男(56)と、中京区の会社役員の男(63)を再逮捕し、宮崎県日南市の無職の男(39)を新たに逮捕した。 3人の逮捕容疑は共謀し、4月26日、兵庫県内の金融機関で他人に利用させる目的を隠して合同会社名義の口座を開設し、通帳とキャッシュカードをだまし取った疑い。府警は認否を明らかにしていない。 府警などによると、合同会社はペーパー会社で、京都市伏見区の府営住宅の一室に設立されていた。同社名義で開設された口座には一度に数千万円が入出金された形跡があり、うち計1100万円は投資詐欺の被害金だった。府警は、SNSでつながり犯罪を行う「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が詐欺被害金の振込先にこの口座を使っていたとみて調べる。 府警はこれまでの捜査で、中国籍の会社役員の男らが開設したとみられる約30の法人口座を確認。これらの口座は、犯罪グループ間で売買されて、犯罪収益のマネーロンダリング(資金洗浄)にも悪用されていたとみている。 府警は先月、無資格で会社設立登記を行ったとして司法書士法違反容疑で中国籍の会社役員の男と中京区の会社役員の男、中国籍の会社役員の女性(34)を逮捕。京都地検は4日、この容疑について3人を不起訴処分とした。処分理由は明らかにしていない。