◆関西大学ラグビー ▽最終節 天理大47―15京産大(30日・花園ラグビー場) 最終節4試合が行われ、天理大が京産大との全勝対決を47―15で制し、2連覇を果たした。6月に当時の部員2人が麻薬取締法違反の疑いで逮捕された苦境を乗り越え、今年のチームの武器である守備力で2トライに抑えた。関学大を含む3校が全国大学選手権に出場し、14日の3回戦で京産大は慶大(関東対抗戦5位)、関学大は福岡工大(九州1位)と対戦する。同大はAリーグ残留が決定。摂南大と立命大はBリーグとの入替戦(13日、京都・宝が池)に回る。 連覇を達成しても、天理大フィフティーンは喜びを爆発させなかった。6月に当時の部員2人が麻薬取締法違反の疑いで逮捕され、SO上ノ坊駿介主将(4年)=石見智翠館=は「ラグビーができることに感謝して、京産大へのリスペクトを持って、あまり喜ばなかった」と、反省を態度で示した。 後半46分、上ノ坊が京産大のパスをインターセプトし、約70メートルを独走。ウィニングランのようにトライを決めた。ノーサイドの笛が鳴ると、上ノ坊は試合中に給水係として支えてくれた共同主将の池田柾士(まさし、4年)=石見智翠館=と抱擁した。池田は「うれしさのあまり泣いてしまった。『ありがとう』と伝えた」と感動しきりだった。 高校時代は池田が主将で上ノ坊が副主将。ともに天理大に進学し、今季は悲劇の連続だった。6月の不祥事に加え、11月上旬にフランカーの池田が度重なる脳震とうの末にドクターストップがかかり、選手を引退せざるを得なくなった。「苦渋の決断だったけど、これで良かったと思える結果をみんなが出してくれた。守備の天理でプレーできたことは誇り」。サポート役に回った相棒に、上ノ坊は「次はみんなで日本一を」と約束した。 この日、勝敗を分けたのは守備力だった。チームは7月末まで活動停止。小松節夫監督(62)は3か月の職務停止で、リーグ開幕直前まで指導から外れた。「練習再開1週間後の菅平合宿での早大戦、帝京大戦の映像を見ると、めちゃくちゃいいディフェンスをしていた」と、指揮官は守備力を武器にするべきと確信した。15人が2人以上の働きをする「30枚の壁」を合言葉に、前後半で1トライずつに抑えた。 大学選手権は20日の準々決勝から登場し、関東対校戦3位と関東リーグ戦3位の勝者と対戦する。「関西1位のプライドを持って戦う」と上ノ坊。5大会ぶりの日本一へ駆け上がる。(藤田 芽生) ○…京産大は2年ぶりの優勝を逃した。フランカー伊藤森心(もりし、4年)=松山聖陵=は「天理大のまとまったディフェンスやセットプレーを受けて、こういったスコアになってしまった」と悔やんだ。好機がありながらも、敵陣22メートル内で反則を繰り返した。広瀬佳司監督(52)は「やってきたことをやり切ることが一番、大切。もう一度、私たちらしく大学選手権に臨んでいきたい」と再出発を誓った。