トランプ大統領、ロブ・ライナー監督夫妻刺殺に“トランプ錯乱症候群”と揶揄「精神蝕むTDS」

米映画「スタンド・バイ・ミー」(86年)や「恋人たちの予感」(89年)などで知られる映画監督のロブ・ライナーさん(78)と妻が14日に刺殺された事件受け、トランプ米大統領が「TDS(トランプ・デランジメント・シンドローム:直訳するとトランプ錯乱症候群)」と揶揄する発言をして物議を醸している。 ライナーさんは、ハリウッドを代表する反トランプ派の一人として知られ、「女性嫌悪者」「うそつき」「人種差別主義者」などと度々トランプ氏を批判していた。 トランプ大統領は15日、自身のSNSトゥルース・ソーシャルを更新し、「昨夜、ハリウッドで非常に悲しいできごとが起こった」とコメント。一方で、ライナーさんを「かつては非常に才能豊かな映画監督だった」と表現し、殺害原因が「彼が他者に与えた怒りにあると報じられている」と述べた。「その怒りの根源は、彼が抱える巨大で頑固、かつ不治の病、精神を蝕むTDSによるもの」とつづり、「彼はドナルド・J・トランプ大統領への激しい執着で人々を狂わせた」と続けた。最後は、トランプ政権があらゆる目標と期待をはるかに超え、かつてないほどアメリカの黄金時代が到来する中で、彼の明白な偏執は新たな高みに達したと皮肉った。 ライナーさん夫妻を殺害した容疑で息子ニック・ライナー容疑者(32)が逮捕されたが、殺害動機などは判明しておらず、トランプ大統領の発言は波紋を広げている。 トランプ大統領は15日にホワイトハウスの大統領執務室でライナーさんの死去について改めて問われた際も、記者団に「私は彼のファンではない」「彼は常軌を逸した人物」などと述べ、自身の投稿を正当化していた。(千歳香奈子)

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