中村鶴松降板の「新春浅草歌舞伎」 代役・中村莟玉が気丈にあいさつ「一致団結」

建造物損壊の疑いで18日未明に逮捕され、釈放された歌舞伎俳優の中村鶴松(本名・清水大希)が降板した「新春浅草歌舞伎」(26日千秋楽)の20日公演第1部が、東京・浅草公会堂で開幕した。 鶴松が演じる予定だった、第2部「傾城反魂香」の女房おとくの代役を務めた中村莟玉(かんぎょく)が冒頭であいさつし、配役変更を改めて報告。「多大なるご迷惑、ご心配をおかけしました。皆さまに楽しかったな、良かったなと思ってもらえるよう一致団結していきたい」と気丈に語ると、客席から力強い拍手が起こった。 浅草公会堂前は鶴松の顔写真入りポスターや名前も掲示。会場の中でも第2部「傾城反魂香」の女房おとくを演じる鶴松の映像が流れていた。鶴松の代役として第1部「梶原平三誉石切」の奴菊平役は中村橋吾、「相生獅子」の姫役を市川男寅が勤める。 冒頭であいさつした莟玉は、鶴松と同じ一般家庭出身。2019年に中村梅玉の養子となり歌舞伎界入り。昨年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」に出演した。立役、女方も多彩に演じられ、次世代を担うホープとして期待されている。 18日未明に鶴松が逮捕され、わずか数時間後に代役を勤めた「傾城反魂香」の女房おとくは、初役。大津絵の元祖とも呼ばれる岩佐又兵衛をモデルとした同作で、吃音(きつおん)のため滑らかに話せない夫を懸命に支える妻の愛を表現した。 一般家庭出身の鶴松は2005年に18代目中村勘三郎さん(12年死去、享年57)の部屋子として歌舞伎界に入った。中村勘九郎、中村七之助の元で修業を積み、歌舞伎座で主役を演じるなど、部屋子しては異例の活躍を見せている。 2月の歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」(1~26日)で幹部昇進し、初代中村舞鶴(まいづる)を襲名することが発表されているが、逮捕の影響が必至とみられる。

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