巨人・阿部監督辞任 涙の謝罪「伝統ある巨人軍監督の名も汚した」

巨人は26日、長女(18)への暴行容疑で25日に現行犯逮捕され、26日未明に釈放された阿部慎之助監督(47)の辞任を発表した。この日午前に山口寿一オーナー(69)と面会して辞任を申し入れ、受理された。都内で会見を行った阿部前監督は一連の騒動を謝罪。「伝統ある巨人軍という監督の名も汚した」と頭を下げ、選手らへの思いを問われると、言葉を詰まらせて涙を流した。26日以降の試合は橋上秀樹オフェンスチーフコーチ(60)が監督代行を務める。 阿部前監督はゆっくりと言葉を絞り出した。会見場に響いた謝罪の言葉の先で、何度も視線を落とす。「伝統ある巨人軍という監督の名も汚してしまって、深く謝罪したい気持ちでいっぱいでございます」。辞任を申し入れ、愛したチームを去る。重い現実があった。 前代未聞の不祥事だ。25日午後6時ごろ、都内の自宅で長女と次女(15)が始めたけんかを止めようとした際、長女から言い返されたことに腹を立てた阿部前監督が胸ぐらをつかみ、投げ飛ばすなどの暴行を加えた。 直後に長女が生成人工知能(AI)「チャットGPT」に相談し、回答に基づき児童相談所へ通報した。児童相談所から110番通報を受けた警視庁渋谷署が自宅に駆けつけて現行犯逮捕。プロ野球現役監督の逮捕報道に衝撃が走った。26日未明に釈放され、この日の午前に山口オーナーと面会して状況を説明。辞任を申し入れ、受理される事態となった。 2年ぶりのリーグ優勝を至上命令とし、今季のスローガンには「前進」を掲げた。まだ46試合。道半ばでの辞任劇。阿部前監督は選手への思いを問われると、「いやぁ…」と言葉に詰まった。こらえていた思いが決壊する。目を真っ赤にし、涙をためて25秒間の沈黙。「こういう形で去るということは、本当にご迷惑をかけているなと思います」。涙が頰を伝った。 会見では長女の「意思」で書かれたという手紙も代読された。「殴る蹴るなどといった事実はございませんでした」と事実と異なるところが長女の言葉として伝えられたが、山口オーナーは「暴力を振るった、そして逮捕されたという事実は消すことができない」と説明して幕を引いた。 阿部前監督は会見で「娘も高校3年生という年頃な子ですので、どうか皆さま温かく見守っていただければ幸いです」と願った。勝負の世界で生きてきた男が最後に見せた父の顔。思いもしなかった形で長く戦い続けた“戦闘服”を脱ぐ。 ◆阿部 慎之助(あべ・しんのすけ)1979年3月20日生まれ、千葉県出身。安田学園-中大を経て、00年度ドラフト1位で巨人入団。強打の捕手として活躍し、12年には首位打者、打点王、最高出塁率を獲得しMVPに選ばれる。球団在籍中の406本塁打は王貞治868本、長嶋茂雄444本に次ぎ3位。現役時代は180センチ、97キロ。右投げ左打ち。24年に巨人の監督に就任し、同年優勝に導いた。

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