【解説】東京女子医大“女帝”岩本絹子容疑者(78)の人物像は 1億円超の“不透明な金の流れ”に捜査のメス…独裁体制の実態は?

東京女子医科大学の元理事長・岩本絹子容疑者(78)が、大学に約1億2000万円の損害を与えた背任の疑いで逮捕されました。 このニュースについて、フジテレビ・社会部の上法玄デスクに話を聞きます。 青井実キャスター: 医大の元理事長が逮捕されるという驚きのニュースが入ってきました。 フジテレビ社会部・上法玄デスク: 東京女子医科大学は私立大学ではありますが、1日3000人近くの患者さんがよりどころにして通う多くの国民にとって重要な基幹病院であり、公的助成金の支援も受ける公共性の極めて高い機関だといえます。そうした組織の元理事長による不透明な金の流れは、決して看過できない事態だといえます。 青井実キャスター: 今回元理事長による巨額な不正なぜ明らかになったんでしょう。 フジテレビ社会部・上法玄デスク: 2024年8月、この問題を調査した第三者委員会は、建築士に支払われた約1億2000万円について不当であるとの疑いを払拭できないと指摘していましたが、この点がまさに今回の逮捕容疑になりました。この建築士は、報酬の対象となった業務に一部しか関与しておらず、他の人が中心になってこの業務を行っていたとされています。他の人が中心になってやった仕事について、多額の報酬がこの建築士に支払われたことで、その金が別のところに流れていったのではないか、キックバックがどこかにあったのではないかと怪しいとなったわけです。 SPキャスター パトリック・ハーラン氏: 医療機関というと、患者さんの命ももちろん関わっているし、さらには収益、このお金の出元は公金だったりする。保険料だったりするんですね。ということは、本人に対してはより厳しい、より一段と高い倫理基準を求められますし、組織に対するより厳しい監査体制もお願いしたいんですけどどうなっていたんですか。 フジテレビ社会部・上法玄デスク: 取材の中で同窓会組織の元理事は、岩本容疑者についてカーッと熱しやすいタイプ、度々爆発、謝れないタイプとか、ばか野郎などと言って物を投げる、怒鳴る、意見を言った人を役職停止にしたこともあると。同窓会組織の至誠会の副会長になり、金銭感覚がまひした。自分で自由に使えるお金が増えたと勘違いしていたという証言もあります。 青井実キャスター: 改めてどんな人物が見ていきますが、岩本容疑者は東京女子医科大学の卒業生。大学の同窓会の組織、至誠会の代表理事の会長にもなり、そして2019年に大学の理事長に就任して2024年8月に解任されているということです。つまり同窓会の組織は、大学内部で岩本容疑者の独裁体制にどんどんなっていったと。 フジテレビ社会部・上法玄デスク: 同窓会のトップから理事長に就任した経緯を見ますと、東京女子医大内部の調整にはたけていたと。その手腕を買われて理事長になった人物ではないかと思われます。しかし、今回の問題が不透明な金の流れを指摘する内部通報に端を発しているところからすると、ワンマンさが増長していった結果といえるのではないでしょうか。 宮司愛海キャスター: 今後ですが、1日3000人余りの患者さんが来るということでしたが病院は大丈夫でしょうか。 フジテレビ社会部・上法玄デスク: 東京女子医科大学病院の2023年度の患者数を見ると、年間71万人と2021年度に比べて9万人も減っているんですね。経営の問題が患者数の減少につながっているのであれば、単にいち病院の問題ではなく、この病院を頼りにする多くの国民に関わる問題だといえると思います。

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