ニセ警察にロマンス詐欺…特殊詐欺被害12億円超 島根で過去最悪に

振り込め詐欺など特殊詐欺の被害が島根県内で後を絶たない。被害額は9月末時点で12億円を超え、過去最悪だった昨年1年間の被害額を上回った。ニセ警察詐欺やSNS型ロマンス詐欺による被害が目立っているという。 県警の発表によると、1~9月の特殊詐欺被害額は約12億3706万円。昨年1年間の被害総額約10億8747万円を上回った。手口別でみると、SNS型ロマンス詐欺の4億4892万円(30件)と、ニセ警察詐欺の4億4594万円(53件)で、被害額全体の7割を占めた。 SNS型ロマンス詐欺は、対面することなくSNSなどを通じて交信を重ね、恋愛感情や親近感を抱かせて金銭をだましとる手口だ。 高額の被害もあり、県東部の70代男性は金の延べ棒や金貨など約3億2448万円相当をだまし取られた。SNSアプリでやりとりし、好意を抱いた女性の名前を名乗る人物から投資を勧められたという。 県警は「会ったことのない人を簡単に信用しない」「高配当をうたった投資などのもうけ話を勧めてくる場合は詐欺を疑う」などと注意を呼びかけている。 ニセ警察詐欺は、警察官などをかたり、捜査名目で現金などをだましとる手口。昨年までは「オレオレ詐欺」に含まれていたが、被害が急増しているため、今年から独立した一つの手口として位置づけられた。 特徴の一つは犯人から直接、携帯電話や固定電話に連絡が入る点だ。「あなたに逮捕状が出ている」などと言ってインターネットバンキングなどに送金を求めてくる。また、信じ込ませるためにSNSアプリを通じて警察手帳や逮捕状のようなものを画像で送りつけてくることもある。 県内の70代男性は8月から9月にかけて約6千万円相当の暗号資産をだましとられた。「あなたの無実を証明するために」と言われ、「供述調書」と記された書類などを見せられて信じ込んだ。 県警生活安全企画課の担当者は「警察が捜査の名目でお金を要求することは絶対にない」と話す。「あなたが捜査対象になっている」「守秘義務があるので誰にも相談するな」などの電話があった場合は、いったん電話を切り、最寄りの警察署などに相談するよう求めている。(堀田浩一) ◇ 特殊詐欺被害を未然に防ぐ手段の一つが、警察庁が推奨する「特殊詐欺対策アプリ」の導入だ。スマートフォンにダウンロードすれば、詐欺が疑われる番号を遮断したり、警告を発したりしてくれる。 認定を受けているのは「詐欺対策 by NTTタウンページ」と「トレンドマイクロ詐欺バスター Lite」の二つのアプリ。無料でダウンロードできる。 県警は、この対策アプリの普及に力を入れる。年金支給日の15日には、松江市のショッピングセンター「イオン松江」で、市と合同で啓発活動を行い、QRコード付きのチラシを配ったり、警察官が対策アプリのインストールを手伝ったりした。 松江警察署の担当者は「まずは犯人から電話がかからないようにするのが一番。最新の手口も把握できるので対策アプリを取り入れてほしい」と話した。(堀田浩一)

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