[社説]米兵、外出禁止中に逮捕 「反省期間」は形だけか

外出禁止命令が出ている中で起きた米兵事件である。「反省なき反省期間」であることが証明されたようなものだ。 米軍キャンプ・ハンセン所属の海兵隊伍長(21)が、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕された。 10月31日午前0時25分ごろ、沖縄市の国道で当て逃げ事故の通報があり、警察官が向かっていたところ、米兵が車を運転して現場に戻ってきたという。 呼気検査で基準値の2倍を超えるアルコールが検出され、逮捕に至った。県警は当て逃げとの関連も調べている。 先月の米兵による強盗殺人事件を受け、米軍は「反省期間」として10月9日から30日間、午前0時から午前5時までの基地外への外出を禁止している。 逮捕はその時間帯のことだった。本来なら米兵は街中にいるべきではない。車には他に同乗者も2人いた。 外出禁止を巡っては、始まった当初から命令違反の米兵が憲兵隊に拘束される事案が相次いでいる。 一体、どのように運用しているのか。ゲートの出入りはチェックしているのか。基地外に住んでいる米兵の確認は徹底されているのか。この際、運用方法を明らかにしてもらいたい。 31日は「ハロウィーン」に当たり、例年、各基地では夜間に関連イベントが開かれる。沖縄市のキャンプ・シールズはSNSで基地外からのイベントへの参加を呼びかけており、嘉手納基地でも基地内で開催するとしていた。 綱紀粛正という言葉先行のおざなりな対策で実効性は確保できまい。■ ■ この間、空軍では階級の低い軍人に対して追加で飲酒も禁止した。米軍は一連の綱紀粛正策の効果を検証し不十分と判断した場合には、外出禁止の延長も検討しているとする。 現状では措置を解くべきではない。 県内の米軍関係者の刑法犯検挙数は増加しており、昨年は101件に上った。これは全国での検挙数の7割近くに上る。 高市早苗首相は所信表明で米兵による強盗殺人事件に触れ、米軍関係者の綱紀粛正と事件の再発防止の徹底を強く求めたとした。 首相は外出禁止などの再発防止策について「十分ではない」との認識も示し、日米のハイレベルでの協議を始めたことも言及した。 だが、約束した綱紀粛正策すら守られない中では、いくら議論しても抜本的な再発防止策にはならないだろう。■ ■ 強盗殺人事件の発生から間もなく1カ月となる。現状を見れば、これまでの綱紀粛正策や再発防止策の限界は明らかだ。 本気でやる気があるのか。米軍だけでなく、日本政府に対しても不信感が募る。 政府は強い姿勢で米側に要求すべきだ。今月中には沖縄政策協議会が開催される。古謝玄太知事も政府に対し、強い姿勢で抜本策を求めなければならない。

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