川崎市元幹部を書類送検 官製談合事件で施設改修の価格情報得た疑い

川崎市が発注した公共施設の塗装・防水工事の入札をめぐる官製談合事件で、神奈川県警は5日、市幹部から非公表の価格情報を得たなどとして、業界団体の一般社団法人「川崎塗装業協会」の事務局長の男(78)=川崎市麻生区=を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで横浜地検に書類送検した。県警への取材で分かった。 捜査2課によると、事務局長は協会で渉外業務などを担当。同じ容疑で4日に逮捕された川崎市まちづくり局担当部長の関口隆雄容疑者(59)=川崎市多摩区=と共謀し、2024年に行われた市有施設の塗装や防水工事2件の一般競争入札で、非公表の工事価格を関口容疑者から入手し、協会の加盟業者に伝えて落札させた疑いがある。■元市幹部の立場利用か 神奈川県警が捜査 捜査2課によると、事務局長は市役所本庁舎内で、市の施設整備部長だった関口容疑者から対面で工事価格を入手し、算出した最低制限価格を協会に加盟する会社の代表取締役にメールで伝達。代表取締役は価格をさらに2社に伝えたという。 2社は実際の最低制限価格と一致する額で入札し、電子くじの結果、それぞれ塗装改修工事と防水改修工事を落札した。 事務局長は川崎市の元職員で、09年に局長級で定年退職していた。在職時に関口容疑者と業務上の関わりがあったという。県警は、市の元幹部という立場を利用して価格情報の漏洩(ろうえい)を働きかけた可能性があるとみて調べている。 また、落札した2社も任意で調べるとともに、これまでの市の発注工事でも同様の不正が繰り返されていた可能性があるとみて、実態解明を進めている。(遠藤花)■川崎市長は「非常にまじめな人物」「ショック」 川崎市の福田紀彦市長は5日、関口容疑者の逮捕について「現職の幹部職員が逮捕されるという重大な事態を招き、非常に大きな責任を感じている。市民の皆様におわびを申し上げたい」などと謝罪した。同日の定例会見で、報道陣の質問に答える形で表明した。 今回の事件では市部長が逮捕され、市役所にも家宅捜索が入った。福田市長は「極めて深刻に受け止め、深くおわびを申し上げたい」と述べた。 関口容疑者については「非常にまじめな人物」と感じていたとし、「ショックを受けたのは私だけではないと思う」と話した。 現時点では事実の解明は県警の捜査に委ねると説明し、再発防止策については「真相が解明された時点で適切な対応をとりたい」と述べるにとどめた。まずは同日、職員に対し、法令順守の徹底や服務規律の確保を求める通達を出したという。(清水康志)

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