トルコ北西部ボル県の人気スキーリゾートホテルで21日、火災が発生し、少なくとも76人が死亡した。一部の宿泊客は火災の中、窓から飛び降りた。 火災は現地時間午前3時27分(日本時間午前9時27分)に発生。現場となった木造12階建てのグランド・カルタル・ホテルには、休暇シーズンのこの日、234人が宿泊していた。 死者数は当初10人とされていたが、火災から数時間後の内務省の発表により大幅に増加した。少なくとも2人が、火災から逃れようと飛び降りて死亡したという。 鎮火には12時間を要した。法相によると、オーナーを含む9人が逮捕された。 また、ケマル・メミソグル保健相によると、負傷者51人のうち1人が集中治療を受けている。一方、17人が退院したという。 トルコで拡散している映像には、燃え盛る建物から逃げようとする人々が、窓からシーツなどを垂らしている様子が映っている。 スキーインストラクターのネクミ・ケプチェトゥタン氏は、火災発生時にホテルの2階にいて、スキールームを通って脱出したとBBCに語った。その後、救援活動に参加したという。 目撃者によると、火災発生時にホテルの所有者一家が現場にいた。ケプチェトゥタン氏も、屋外でその家族の何人かを見かけたと述べた。 火災の原因はまだ特定されていないが、ボル県のアブドゥラジズ・アイディン知事によると、初期報告ではホテルの4階にあるレストラン部分で火災が発生し、上の階に広がったとされている。 アイディン知事は、カルタルカヤにあるホテルとボル市街地との距離、そして凍えるような天候によって、消防車の到着するまでに1時間以上かかったと述べた。緊急サービスは267人の作業員を現場に派遣した。 ホテル側は現在、火災が広がる中で子供を含む宿泊客が部屋に閉じ込められていたかどうかを調査している。 内相によると、ホテルには非常口が2カ所あり、ホテルの従業員の一人は30〜35人を救出できたと述べた。 イルマズ・トゥンチ法相は、火災の調査のために検察官が割り当てられたと述べた。 ホテルは2024年に最後の検査を受けており、トルコの観光相によると、火災安全性に関して21日の災害前には問題はなかったという。 しかし、トルコ技術者・建築家協会(TMMOB)は、規則では自動消火システムが必要だと指摘。声明で、「ホテルのウェブサイトの写真では、2008年に設置されるべきだった自動スプリンクラーシステムが設置されていないことが確認できる」と述べた。 また、他の規則が順守されていたかどうかは不明だが、生存者の証言に基づけば、「検知および警報システムが機能せず、避難経路が特定できなかったようだ」と付け加えた。 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はXへの投稿で、火災につながる過失の責任者は「責任を問われる」と述べた。 また、1日間の服喪が宣言され、トルコ国旗は22日の日没まで半旗で掲げられると発表した。 ボル山地はイスタンブールや首都アンカラからのスキーヤーに人気があり、アンカラからは約170キロの距離にある。トルコでは2週間の学期休暇が始まったばかりで、ホテルは高い稼働率で運営されていた。 (英語記事 Dozens killed as fire engulfs Turkish ski hotel