仙台市内の病院に勤務していた医師の男が、治療以外の目的で自分の体に医療用麻薬を注射したとして逮捕された事件です。病院の更衣室で倒れているのを発見された医師のそばには、使用したとみられる注射器が見つかっていたことが分かりました。 麻薬及び向精神薬取締法違反の疑いで逮捕された埼玉県さいたま市の麻酔科医・室井賢一容疑者(61)の身柄は24日、仙台地方検察庁に送られました。 警察によりますと、室井容疑者は2022年10月4日当時、勤務していた仙台循環器病センターで、治療以外の目的で医療用麻薬、数ミリリットルを自分の体に注射して使用した疑いがもたれています。室井容疑者は、手術の合間に、術衣の着替えなどをする更衣室で倒れていたのを発見されていて、近くには使用したとみられる注射器が置いてあったことが分かりました。 病院での聞き取りに対し、室井容疑者は「最近忙しく疲労がたまっていたかもしれない」と話していたということです。病院では、当時、医師の増員が検討されていたものの、代休などの調整はできる勤務環境だったということです。 室井容疑者が自分で注射したとされる医療用麻薬は、麻酔用の鎮痛剤「フェンタニル」で、東北厚生局麻薬取締部によりますと国内では病院や薬局以外で入手することはできないということです。一方、アメリカなど海外では、合成麻薬の「フェンタニル」が流通し、乱用が問題になっています。